絶対に失敗したくない人向けのオウンドメディアの作り方
昨今Webマーケティング業界の中で最も注目されているのは、コンテンツマーケティングでしょう。ブログやメール、ホワイトペーパーなどのコンテンツを提供することで、ユーザーを獲得したり、コンバージョンへとつなげていきます。特に、自社(サービス)が保有するタイプのオウンドメディアは一般的とも言えるほど普及の兆しを見せています。
確かにオウンドメディアは強力なマーケティング施策なのですが、とりあえずの運用で成果が出るとは言い切れません。結果を出したいのなら、そのための手順に則って進めていくことが必要。よく聞く施策だからと、「とりあえず取り組んでみる」といったスタンスではダメなのです。
本稿では、コンテンツにフォーカスしながら、オウンドメディアの作り方について解説していきます。成果の出るオウンドメディアを制作・運用するためにも、参考にしていただければと思います。
Contents
オウンドメディアとは?
本題に入る前に、オウンドメディアとはどういったものなのか簡単に復習しておきましょう。
オウンドメディアの基礎知識
冒頭で述べたように、オウンドメディアとはコンテンツマーケティングの数ある内の一つの手法です。自社や自社サービスが持つメディアのことで、ブログ形式でコンテンツを提供することが一般的。リスティングなどのプッシュ型の集客と比べると、ユーザーに見つけてもらうプル型の集客と言うことができるでしょう。
オウンドメディアについては、「オウンドメディアとは?特徴やコンテンツマーケティングとの違い」で詳しく解説しています。
また、コンテンツマーケティングやトリプルメディア戦略については、下の記事を合わせて参考にしていただければと思います。
メリット/デメリットなどの特徴
オウンドメディアの特徴についてまとめておきましょう。
(1)メリット
オウンドメディアの絶対条件は、ターゲット層にとって魅力的なコンテンツを提供することです。これができていれば、特別なことをしなくてもOK。適切に運用さえしていれば、自然と効果アップが期待できるのです。
また、リスティング広告などのWeb広告では出稿にかかるコストを考えなければいけませんが、オウンドメディアではそういった手数料はかかりません。コンテンツを作ることだけに集中できる、ということです。
もう一つ。コンテンツを通して自社のブランディングができたり、ファンの育成ができることも大きなメリットでしょう。短期的な成果に限定せず、中長期的な施策として非常に有効なのです。
(2)デメリット
オウンドメディアは中長期的な施策だと述べましたが、これは言ってみればデメリットにもなります。期間限定のキャンペーンやイベントなど、短期的で即時性の求められるシーンにはオウンドメディアは不向きなのです。
またコンテンツの制作や運用に、少なくない労力がかかることも上げておきましょう。コンテンツの制作・運用体制をしっかりと固めておかないと、なかなか効果が見られないこともあるでしょう。これについては、後述するポイントを参考にしていただければと思います。
オウンドメディアの種類
オウンドメディアと一言に言っても、実はさまざまな種類があります。自社のWeb戦略やターゲットのニーズを踏まえて、適切なオウンドメディアを選択するようにしてください。
ここでは、数あるオウンドメディアの中から3つのタイプをご紹介しましょう。
(1)専門知識型
ユーザーのためになる情報のうち、専門的な知識を提供していくタイプのオウンドメディアです。自社のサービスに関連する技術トピックや、業界の最新動向などがあります。こちらがアピールしたい内容ではなく、あくまでユーザーが求めている情報である必要があります。
(2)EC型
ECにとっても、オウンドメディアは有効です。よくあるのが、ECサイトにオウンドメディアを併設しているケースです。そのまま記事を書くと単なる商品紹介になってしまうので、コンテンツを工夫してユーザーを惹きつける内容にすることがキーになってきます。
(3)カスタマーサポート型
自社が提供しているサービスや製品に関して、役に立つ情報やハウツー、トラブルシューティングなどのコンテンツを提供するタイプのオウンドメディアです。単純にユーザーのためになる情報が届けられるだけでなく、自社のサポート体制をアピールすることでリピーターやファン作りにも役立ちます。
オウンドメディアの作り方
オウンドメディアの基礎知識について見てきました。ここからは、実際にオウンドメディアを作る時のポイントを解説していきます。コンテンツにフォーカスしながら、5つのステップに沿って紹介していきましょう。
事前準備
オウンドメディアを作るにあたり、まずやっておくべきことがあります。オウンドメディア運用の目標(ゴール)の設定です。PVやコンバージョンなど、のちのちにKPIとして計測可能な数値を入れておくことがポイントです。
もう一つ、事前準備として欠かせないのが運用体制づくりです。オウンドメディアの成否を握っているのは、継続的に良質なコンテンツを提供していくこと。運用体制がしっかりしていないと、思うようなコンテンツ作りができず、オウンドメディアも失敗に終わる可能性が出てきてしまいます。オウンドメディアの運用体制や、コンテンツ制作フローなどは念入りに固めておくようにしましょう。
サイト制作
次に、オウンドメディアそのものの制作に入っていきます。コンテンツを掲載するサイト自体は、WordPressなどのCMSを利用すればすぐに立ち上げられるかと思います。ただし、デザインや機能についてはターゲットや提供するコンテンツに合わせることを忘れずに。
コンテンツ設計、制作
サイトが立ち上がったら、もしくはサイト制作と平行してコンテンツを作っていきます。と言っても、いきなりコンテンツを作り始めるのはNGです。コンテンツの方針を決めたあと、コンテンツの設計・制作に入っていかなければいけません。
まずはターゲットやペルソナを軸にキーワードを抽出していきます。キーワードを選ぶ時のコツとしては、ビッグキーワードよりはスモールキーワードに着目していくことです。キーワード選定では、キーワードプランナーやGoogleトレンド、検索エンジンの予測変換、競合サイトのキーワードなどを参考にするといいでしょう。
キーワード選びができたら、コンテンツ設計・制作に入っていきます。キーワードごとに記事のアウトラインを決めたのち、制作を進めていきます。運用体制に無理がないかチェックするために、実運用に入る前であっても本番と同じ運用フローで行っておくといいでしょう。
集客
コンテンツを作成してサイトにアップしても、ターゲットに見てもらえるとは限りません。ターゲットに見てもらえるよう、集客を行うようにしましょう。具体的には、SEOやSNS、Web広告、PR活動などがあげられます。
SEOとは、Googleなどの検索エンジンで上位表示を狙うための施策のこと。適切にSEOに取り組むことで、検索エンジンからの流入(オーガニックな流入)を稼ぐことができます。内部リンクや重要なメタタグを整備するなど、地道な対策が大切です。
SNSも重要です。FacebookやTwitterなどのSNSにもコンテンツを出していくことで、シェアや拡散を促進し、集客へとつなげることができるでしょう。
効果測定、改善
運用をスタートしたら、コンテンツの効果測定をしてください。効果測定とは、具体的には記事のPVやコンバージョン、離脱率などの数値を追っていくこと。目標で設定した数値をベースに、評価指標を立てて継続的に測定していくのです。
コンテンツマーケティングの評価指標については、下の記事で解説しています。こちらも併せて参考にしていただければと思います。
効果測定の結果、予想とは異なる結果が得られることもあるでしょう。コンテンツの内容が適切でないのかもしれませんし、集客方法が十分でないのかもしれません。いずれにしても、改善点を洗い出してあるべき姿に近づけていくことが大切です。
効果的なオウンドメディアを作るためのチェックリスト
ここまでオウンドメディアの作り方について解説してきましたが、最後にチェックリスト形式でポイントをまとめておきましょう。
事前準備
- 具体的な数値を盛り込んだ目標を設定しているか?
- オウンドメディアの種類(専門知識型、EC型など)は?
- 運用体制づくり、コンテンツ制作フローは固まっているか?
- ターゲット、ペルソナは設定しているか?
オウンドメディア制作
- サイトデザインは適切か?
- コンテンツ運用に足る機能は備わっているか?
コンテンツ設計、制作
- キーワード選定は適切か?ミドル・スモールキーワードに着目すること。
- コンテンツの方針は固まっているか?
- 良質なコンテンツ制作が提供できているか?
集客
- SEO(検索エンジン最適化)を行っているか?
- Facebook、TwitterなどのSNSを活用しているか?
- その他、Web広告やPR活動などの手法を活用しているか?
効果測定、改善
- 効果測定はできているか?Googleアナリティクス等のアクセス解析ツール。
- サイトの改善を行っているか?キーワードやコンテンツ、集客方法、サイトデザイン等。
まとめ
効果を出すためのオウンドメディアの作り方について、順を追って解説してきました。しっかりと手順に沿って行わなければ、いかに効果的な施策と言っても、オウンドメディアで成果を上げることはできないでしょう。ご紹介したポイントを参考にしていただき、御社のオウンドメディア運用に活用していっていただければ幸いです。