外部リンクのクリック数をGoogleアナリティクスで測定する3つの方法

Webサイトの効果測定において、「外部サイトへのリンクがどのくらいクリックされているか?」といった指標も重要ですよね。意外とここをおさえていないWebサイトが多くて、もったいないなと思っています。「外部リンクへ送客できた」ということ自体、ひとつの成果としてみなされることもありますから。

広告の場合は、広告配信システム側でインプレッションやクリック数が把握できます。でも広告以外の外部リンクとなると、クリック数をGoogleアナリティクスで測定するにはあらかじめ追加の設定をしておく必要があります。

そこでGoogleアナリティクスで外部リンクのクリック数を測定する方法について、難易度別に3つのパターンを紹介します。ご自身に合う方法でチャレンジしてみてください!

なぜ外部リンクのクリック数を知る必要があるか?

そもそも、なぜ外部リンクのクリック数を知っておく必要があるか?というところをおさえておきたいところ。そこで外部リンクの種類ごとに、クリック数をとるべき理由をまとめました。

自社の他サイトへのクリック

自社で運営しているサイトが複数ある場合、もうひとつの自社サイトへのクリックがサイトの成果としてみなされることもあります。例えばコーポレートサイトにニュースリリースを掲載して、そのページから自社ECサイトへのクリック数が増えた場合、広告効果として換算できるのではないでしょうか。

提携している他社サイトへのクリック

広告ではないものの、提携している他社のサイトを紹介するなんてケースもあります。このクリック数が増えてくれば、今後有料広告の掲載につながるなどビジネスチャンスが広がる可能性もあります。

SNSのシェアボタン

最近では自社サイトの各ページにTwitterやFacebook、InstagramといったSNSへのリンクボタンを掲載しているところも多いはず。このリンクがどのくらいクリックされたかで効果を測ることもあります。

あるページの記事がSNSでシェアされた場合、そのページのPVにはカウントされません。でも実際には記事を読んだユーザーの数は増えているはずですよね。最近ではSNSの影響力が高まっていて、シェアによって大きく認知が広がることもあります。そこでページの PVだけで効果を見るのではなくSNSのシェア数も効果測定として見るべき、なんて意見もあります。

TwitterやFacebookには専用の分析ツールがありますので、シェア数はそれぞれのツールで把握することは可能。でもGoogleアナリティクスでサイトにまつわるデータとあわせてSNSへのリンク数がわかれば、より手軽に成果をチェックできるようになります。

PDFファイルへのリンク

ホワイトペーパーをPDFファイルで用意しているWebサイトでは、PDFがどのくらい見られているかも知っておくべきでしょう。ホワイトペーパーのダウンロード数自体もひとつの指標になりますし、ホワイトペーパーのダウンロード数に比べて問い合わせが少ない、という場合、ホワイトペーパーの内容を見直す必要があります。

ただPDFファイルにはGoogleアナリティクスのタグは入れられません。そのためPDFファイルのダウンロードボタンのクリック数で効果測定することになります。このPDFファイルのボタンについても、外部リンクと同じ方法でデータを取得することができます。

外部リンクのクリック数をGoogleアナリティクスで測定する3つの方法

外部リンクのクリック数をGoogleアナリティクスで測定するための方法を、3パターン紹介します。なお、いずれの方法もGoogleアナリティクスの「イベントトラッキング」機能を使うという点は共通です。

イベントトラッキング機能とは

Googleアナリティクスでは基本的にHTMLのページのみを測定しますよね。でもイベントトラッキングはページ以外、例えばボタンのクリック数やファイルのダウンロード数といった数字を「イベント」という単位でカウントするための機能。

クリックする場所ごとに設定できるので、例えば同じページに同じリンク先のボタンAとリンクテキストBがあった場合、それぞれAとBのクリック数を分けて結果を見ることも可能。なおGoogleアナリティクスの画面では「行動」メニューにある「イベント」から参照できます。

方法1:直接HTMLを修正して、イベントトラッキング用のタグを追記する

難易度 ★☆☆

HTMLソースを直接書き換えるという、最もシンプルな方法。リンクのAタグにイベントトラッキング用のタグを追記するだけ(Googleアナリティクス側での設定は不要)。イベントトラッキングでは「カテゴリ」「アクション」「ラベル」といった3つの要素を載せます。

<a href=”http://example.com” Onclick=”ga(‘send’, ‘event’, ‘カテゴリ’, ‘アクション’, ‘ラベル’, true);>リンクはこちら</a>

この方法、タグの追記そのものはそれほど難しくないと思います。ただしリンクタグごとに修正するため、測定したいリンクの数が多くなると、作業量がかなり増えてしまいます。

方法2:Googleタグマネージャを利用する

難易度 ★★☆

別記事でも紹介したGoogleの無料ツール「Googleタグマネージャ」を使うと、まとめてイベントトラッキングの設定ができます!

ざっくりした手順ですが、Googleタグマネージャでは以下のような手順で設定を行います。

(1)Googleタグマネージャで新しいタグの追加を選択し、「タグの設定」を開く

  • タグの種類は「Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス」を選択
  • トラッキングタイプは「イベント」を選択
  • カテゴリ、アクション、ラベルなどの項目を入力

ラベルなど一部の項目は組み込み変数を使って、自動的に置き換わるようにしておきましょう。そうすればサイト全体で同じタグを入れてもリンクごとにクリック数をカウントできます。

(2)トリガーを設定する

トリガーとはこのタグが有効になる条件のこと。全ページ対象というトリガーだけにしてしまうと、あらゆるサイト内のクリックがカウントされてしまいます。もし「外部リンクだけ」という条件をするなら、例えば「httpではじまるリンクだけ対象にする」(※サイト内リンクはパスでリンクを記述する)といったトリガーが考えられるでしょう。

Googleタグマネージャを使う方法では、独特の設定項目があるため慣れない方は戸惑うかもしれません。ただ一旦設定してしまえばあとは自動的にデータが収集されますので、方法1と比べると運用はかなりラクになると思います!

方法3:「gaaddons.js」を利用する

難易度 ★☆☆

Googleアナリティクスにも、WordPressでいうプラグインのような追加機能があることをご存知ですか?その中で、外部リンクのクリック数のほか、いくつかデフォルトのGoogleアナリティクスにはないデータを取得できるようになるプラグインが「gaaddons.js」です。

手順としては、「gaaddons.js」というJavaScriptファイルを自社サイト上にアップロードして、その後Googleアナリティクス側のタグの一部を書き換えるという流れになります。

詳しい手順は以下の参考サイトに記載されています。ただこのプラグイン、2010年以降全く更新されていない状況なんですよね…。「gaaddons.com」という公式サイトもかつて存在していたのですが、すでにクローズ済みとなっています。そのため現在のGoogleアナリティクスで動くかどうかの保証はありません。

参考サイト:https://markezine.jp/article/detail/13190

JavaScriptファイルをアップロードしてコードを書き加えるだけなので、難易度としては低いと思います。とはいえ上記の理由により、現時点ではおすすめしづらいというのが正直なところ。一応Googleサイト(https://code.google.com/archive/p/gaddons/)から現在も「gaaddons.js」ファイルはダウンロードできますので、気になる方はご確認ください。

ちなみにこの「gaaddons.js」を使った場合も、イベントトラッキングの「ラベル」項目に外部リンクURLが入ったかたちでGoogleアナリティクスに結果が表示されます。

運営業務を効率化できる方法にシフトしていこう

イベントトラッキングを実装するのにも、実は3つも方法があります(1つはだいぶ古いのであまり現実的ではありませんが)。複数の方法があること自体知らなかった!という方も多いかもしれません。

特に方法2のGoogleタグマネージャを使った方法を導入すれば、あとからイベントトラッキングを増やすときに便利だったり、これまでどんなトラッキングをしているかが把握しやすかったりというメリットがあります。Googleタグマネージャは導入する手間がかかるのですぐには難しいかもしれませんが、運営の効率化という視点でも検討してみましょう。