効果測定に行き詰まったらGoogleアナリティクスのアトリビューション分析で解決

コンテンツマーケティングの大きな課題と言えば、「コンテンツの効果をどこでみるか」という点ではないでしょうか? 2015年という少し前のデータにはなりますが、コンテンツマーケティングを実施している企業に課題を聞いたところ、効果を図る指標がないという回答が最も多く55%という結果になりました(※1)。皆さん、コンテンツマーケティングの効果測定に悩んでいることがうかがえます。

コストをかけてコンテンツマーケティングに取り組んでいるのに、ECサイトの購入やコーポレートサイトの問合せなどのコンバージョンに誘導できていないように見える…なんていうこともありがちではないでしょうか。ただユーザーが最後にクリックしたのは広告でも、その前にコンテンツを熟読していた可能性もありますよね。コンテンツが間接的にコンバージョンに貢献しているはずです!

このように間接的なコンバージョンへの貢献度がわかるという点で、最近注目を集めているのが、「アトリビューション分析」です。実はGoogleアナリティクスにもアトリビューション分析機能があり、無料で利用することができます(※一部機能は除く)。

そこで「コンテンツマーケティングがコンバージョンへ貢献できているかを知る」という視点で、アトリビューション分析の定義やGoogleアナリティクスでアトリビューション分析を行う方法についてまとめました!

アトリビューション分析の定義とは?

一般的にアトリビューション(Attribution)分析は、「間接効果を測るための分析」のことを言います。

例えば広告をいくつか出稿している場合、直接コンバージョンにつながったのはAサイトのバナーですが、じつはその前にBサイトの記事を見ていた可能性もあります。つまり直接コンバージョンにつながった媒体だけではなく、間接的にコンバージョンに貢献した媒体の効果を測るというのがアトリビューション分析の目的です。

アトリビューション分析では、媒体ことにコンバージョンに貢献した度合いを数値化して効果測定を行います。

Googleアナリティクスでコンバージョンに貢献したかどうかを見るには、「コンバージョン経路」という画面で見ることもできます。この場合どのチャネル(媒体)を経由してコンバージョンに至ったか、というのはわかるのですが、チャネル別でどれが最も効果があったのか、ということはわかりづらいんですよね。

一方アトリビューション分析ではチャネル(媒体)ごとに貢献度を数値化するので、どのチャネルの効果が出たのか比較しやすいというメリットがあります。

Googleアナリティクスでは一部の機能はGoogle広告などを利用している人限定になっているものの、ベーシックなアトリビューション分析は誰でも利用できるようになっています。

Googleアナリティクスでアトリビューション分析を行う方法

ざっくりですが、Googleアナリティクスにおいてアトリビューション分析を行う手順を紹介します。

Googleアナリティクスのメニューにおいて「コンバージョン>マルチチャネル>モデル比較ツール」に進みます。

Googleアナリティクスでは、まず「アトリビューションモデル」を選択します。アトリビューションモデルとは、貢献度をどう割り振るかというルールのこと。例えば「起点」であればコンバージョンに至った経路にて、最初にアクセスしたところの貢献度が高く設定されます。一方終点であれば、コンバージョンに至った経路において最後(ラストクリック)にアクセスしたところの貢献度が高くなります。

Googleアナリティクスの代表的なアトリビューションモデル

Googleアナリティクスでは、デフォルトで7つのアトリビューションモデルが用意されています。ここではよく使う(と思われる)代表的な3つのモデルを紹介しましょう。

終点

アトリビューション モデルでは、最後のタッチポイント(この例では直接的なチャネル)に販売に関する貢献度が 100% 割り振られます。

起点

アトリビューション モデルでは、最初のタッチポイント(この例では有料検索チャネル)に販売に関する貢献度が 100% 割り振られます。

線形

アトリビューション モデルでは、コンバージョン経路の各タッチポイント(この例では有料検索、ソーシャル ネットワーク、メール、直接的なチャネル)に販売に関する貢献度が均等に(25% ずつ)割り振られます。

出典:Googleアナリティクス ヘルプ「アトリビューション モデルの概要」

Googleアナリティクスでは、3つのモデルを同時に比較することができます。基本的には上記の代表的なアトリビューションモデルで紹介した「起点」「終点」「線形」の3つで比べる方法がわかりやすいと思います。

なおデフォルトでは、プライマリディメンションとして「MCF チャネル グループ」が表示されます。これはこれでシンプルなので見やすいのですが…参照サイトが一つの項目にまとまってしまいます。そこでプライマリディメンションを「参照元/メディア」にしてみましょう。これで参照元サイトごとの効果を見ることができます。

例として、コンテンツマーケティングの主な手法であるオウンドメディアというチャネルで考えてみましょう。一般的にはオウンドメディアに何度かアクセスしてコンテンツを熟読したものの、最後は広告など他のチャネルでコンバージョンに至る、というケースが多そうですよね。

この場合アトリビューションモデルを「起点」にしたほうが、オウンドメディアの貢献度が高く出ることが想定されます。こうした仮説を立て、起点と終点のモデルを比較してどのくらい違いが出ているかチェックしてみてください。

また、プライマリディメンションを「ランディングページ」にしてみるのも、面白いと思います。ランディングページ(ユーザーが最初に訪れたページ)に限定されますが、実は意外なページの貢献度が高かった!という発見があるかもしれません。

コンテンツマーケティング向けにアトリビューション分析ができるツールもある

Googleアナリティクスのアトリビューション分析は、基本的に外部チャネル別にコンバージョンへの貢献度を見るというのが目的です。とはいえコンテンツマーケティングにおいては、サイト内のコンテンツ(ページ)ごとにコンバージョンへの貢献度を知りたい、というニーズもあるでしょう。

そこで最近では、ページ単位でアトリビューション分析を行うためのツールも登場しています。例えば最近日本で利用が増えているのが、イスラエルの企業が開発・提供している「TRENDEMON」というツールです。「TRENDEMON」は2017年に日本に参入、2020年1月に日本で初めてのイベントを開催し、サッポロビールやパナソニックといった企業の導入事例を紹介しています(※2)。

本格的にコンテンツ別にアトリビューション分析をしたい場合は、こうした専用ツールの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

TRENDEMON

無料のGoogleアナリティクスでできるアトリビューション分析を活用しよう

使ってみると、なかなか奥が深いなと感じるGoogleアナリティクスのアトリビューション分析。慣れないうちは用語もわかりづらいですし、数値をどう見たらいいのかわかりにくいという面もあるかもしれません。

ただコンテンツマーケティングのようにじわじわと攻めていくマーケティング手法では、アトリビューション分析だからこそ見えてくることも多いと思います。コンテンツマーケティングの効果が出ているということをアピールするためにも、ぜひ無料で使えるGoogleアナリティクスのアトリビューション分析機能を使いこなしていきましょう!

※1出典:現在コンテンツマーケティングに取り組む企業は83%/課題は「効果を図る指標がない」【グルーバー調査】(Markezine)

※2出典:2020年こそ “コンテンツマーケティング”元年の年(TRENDEMON)