難易度別!Googleアナリティクスのレポート作成を無料で自動化する3つの方法

Googleアナリティクスを使ってアクセス解析レポートを作成するとき、意外と時間がかかってしまうということはありませんか?社内報告用のレポート作成となると、Googleアナリティクスのデータをそのまま出力してもわかりづらいため、結局ExcelやPowerPointを使った作業が必要になってきます。少しでもこの手間を減らしたい!という方も多いのではないでしょうか。

そこでGoogleアナリティクスでのレポート作成を自動化することも考えたいところです。自動化する方法はいろいろありますが、大きく3つのパターンに分かれます。

  1. Googleアナリティクスの設定にて、データのダウンロード作業を自動化する(無料)
  2. GoogleスプレッドシートやExcelにデータを取り込むところを自動化する(ほぼ無料)
  3. 専用ツールを使って、レポート作成から分析まで自動化する(有料)

今回はそれぞれのパターンで、レポート作成を自動化する方法を紹介します!まずは現状行っているレポート作成業務の内容や予算にあわせて、できるところから自動化を目指しましょう。

Googleアナリティクスでデータのダウンロード作業を自動化(ほぼ無料)

難易度 ★☆☆

Googleアナリティクスのレポートを、PDFやCSVのファイルでダウンロードしている、という方も多いと思います。Webサイトのページ単位でレポートをダウンロードするとなると、ダウンロード作業だけでも結構時間がかかりますよね。こうしたダウンロード作業は、Googleアナリティクスで「自動メールを送る」という設定をしておくだけで、自動化ができます。

操作方法は簡単です。レポート画面の右上にある「共有」というメニューをクリックすれば、自動メールを送る設定画面が表示されます。ここで、データ形式や送信先となるメールアドレスを登録するだけ。例えば頻度を「月別」と設定すれば、自動的に毎月メールにデータが添付されて届くというわけです。

頻度は日別や週別、四半期など選べますので、普段アクセス解析を行っているタイミングにあわせて設定しましょう。もちろんカスタムレポートでも、この自動メール設定を行うことができます。この自動メール機能、本来は複数メンバーでアクセス解析結果を共有するためではありますが、データのダウンロード自動化としても使えます。

GoogleスプレッドシートやExcelにデータを取り込むところを自動化(ほぼ無料)

難易度 ★★☆

レポートを作成するために、GoogleアナリティクスのデータをExcelなどに取り込んで加工するというケースも多いと思います(本当はGoogleアナリティクスで完結できれば一番いいんですけどね)。ダウンロード作業と同じく、Excelに取り込むという作業も、地味に時間がかかりますよね。また作業量が多くなると、取り込みの際にどうしてもミスが起こりやすくなってしまいます。

こんな時はデータの取り込みを自動化できる「アドオン」(追加機能)を活用しましょう。一般的によく知られているのは、GoogleスプレッドシートにGoogleアナリティクスのデータを直接取り込める「Google Analytics Spreadsheet Add-on」というアドオンです。

Google Analytics Spreadsheet Add-on

この「Google Analytics Spreadsheet Add-on」を利用すれば、Googleスプレッドシート上で、Googleアナリティクスの集計したデータを自動で取り込むことが可能です。スケジュール機能もあるので、例えば毎日自動的に前日のデータを表に追記する、なんてこともできるようになります。

機能は豊富なのですが、設定画面のインターフェイスがややわかりづらいという点がネックでしょうか…。設定画面がすべて英語表記というのも、難易度が高いと感じるところかもしれません。最初の設定さえクリアできればあとは自動化されるので、気になる方はチャレンジしてみましょう!

Google Analytics Spreadsheet Add-on

Analytics Edge

Excel向けには「Analytics Edge」というアドオン。

ただしこちらは一部機能が有料となっています。もしアドオンを検討するなら、Googleスプレッドシートを使う方が無料ですし、設定などの情報もネットにたくさん出回っているのでおすすめです。ちなみにGoogleスプレッドシートは他のメンバーと共有しやすい利点もありますので、これを機会にExcelだけではなくGoogleスプレッドシートを検討してみるのもいいと思います。

Analytics Edge

Search Analytics for Sheets

Search ConsoleのデータをGoogleスプレッドシートへ取り込める、「Search Analytics for Sheets」というアドオン。

アクセス解析とあわせて、検索キーワードの集計データもレポートに載せたいというときに役立ちます!こちらもインターフェイスは英語ですが、Googleアナリティクスと比べると設定項目が少ないので設定しやすいと思います。

Search Analytics for Sheets

専用ツールを使ってレポート作成から分析まで自動化(有料)

難易度 ★★★

ダウンロードや取り込みといった作業の自動化ではなく、レポート作成そのものを自動化したい場合は、有料ツールを検討することになります。Googleアナリティクスのデータをもとにレポート作成を自動化できるツールとしては、現在代表的なツールは2つあります。

(1)AIアナリスト

「AIアナリスト」はグラフィカルなレポートを自動的に作成する機能のほか、AIがサイトの改善点を指摘してくれるという点が特徴です。一部機能(レポートとAIによる提案の一覧)は無料で利用できます。有料版の料金体系はオープンになっていませんが、それなりのコストがかかると考えられます。

https://wacul-ai.com/site03/

(2)KOBIT

「KOBIT」の機能も「AIアナリスト」と似ていて、レポート作成と改善提案について自動化するツール。ただこちらは1レポート5,000円~とリーズナブルな料金プランになっています(5,000円のプランは毎月継続の場合)。

どちらのサービスもレポート作成まですべて自動化できるため、有料ではありますが業務効率化というメリットは大きいでしょう。ただ、こうしたサービスはたいていレポートのフォーマットが固定となっています。そのため個別にレポートをカスタマイズしたいとなると、対応が難しい(もしくは追加費用がかかる)という可能性があります。この辺りは事前に確認しておきましょう。

現実的にはメインのレポート作成は有料サービスを使い、追加で必要なところはGoogleアナリティクスをもとに自分でレポートを作成する、という想定で考えておいた方がよいでしょう。

https://kobit.in/

Googleアナリティクスのレポート作成自動化の注意点

「Googleアナリティクスのレポート作成を自動化する」といっても、いきなり完全な自動化を目指すのは厳しいでしょう。まずはダウンロード作業だけ、スプレッドシートへの取り込み部分だけ、という感じで着手できるところから進めていくのがおすすめです。特に毎月同じ作業を繰り返しているような場合は、一部作業の自動化だけでも効率化につながると思いますよ。

なおレポート作成を自動化するときに注意しておきたいのが、設定内容に関するドキュメントを残しておくということ。一旦自動化すると、その後は何もしなくても毎月データが出てきます。そのため設定内容をチェックする機会はほとんどありません。自動化設定を行った担当者が異動や退社で不在になると、どんな設定だったか誰も把握していない…ということになりかねません。必ず設定情報を保存して、社内で共有しておきましょう。

レポート作成作業の自動化と合わせて、レポートに載せるデータの取捨選択も考えたいところです。自動化できるからといって、あらゆるデータを収集してしまうと、レポートのボリュームばかり増えてしまいます。こうなると、どこを見ていいかわからなくなりますよね。例えばBtoBサイトで「資料請求を増やすこと」がサイトの目的なら、そこにフォーカスしたデータを集めておきましょう。