今更聞けないコンテンツマーケティングの基本
コンテンツマーケティングはここ最近、伸び率の高いキーワードとして注目を集めており、2019年までに世界で35兆円規模のマーケットになると言われているほど、市場規模のポテンシャルを秘めるビジネスとしても考えられています。コンテンツマーケティングはアメリカが発祥と言われていますが、アメリカでは10年程前から、インターネットでのマーケティング手法として確立し始めました。今後も伸び続けるであろう、「コンテンツマーケティング」の基本についてお話ししていきたいと思います。
Contents
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングの概要
コンテンツマーケティングの本場、アメリカのContent Marketing Instituteによる定義を引用します。
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
引用元: http://contentmarketinginstitute.com/what-is-content-marketing/
「コンテンツマーケティングとは、価値があり、適切で、首尾一貫したコンテンツを作り、それを提供していくことにフォーカスした戦略的なマーケティングアプローチのこと。明確に定義された読者を魅了し、関係を継続し、最終的には利益に結びつくアクションをとってもらうことを目的とする。」
つまり、コンテンツマーケティングとはその名の通り、ターゲットユーザーにコンテンツを提供していく手法のこと。コンテンツを通して顧客との関係を築いていったり、集客やコンバージョンにつなげていくのです。
コンテンツマーケティングが創るのは中長期的な売り上げ
あらゆるオウンドメディアを活用
コンテンツマーケティングで最も主流なのは、潜在顧客や既存顧客に対し、企業が継続的に情報提供を行うための自社所有メディアであるオウンドメディアの活用です。コンテンツマーケティングの1手法としても数えられますが、コーポレートサイトや自社ブログ、SNS、動画、ホワイトペーパー、DM、メルマガ自社発行の広報誌などの総称とも言えます。その中で、特に注目度が高いのがオンライン上の媒体です。
オウンドメディアについての詳細は「オウンドメディアとは?特徴やコンテンツマーケティングとの違い」で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。
コンテンツによって信頼を獲得するマーケティング手法
コンテンツマーケティングでは、潜在顧客や既存顧客にとって価値のある情報を提供することで、興味を喚起し売り上げにつながる戦略のマーケティング手法です。なんらかの興味を持った訪問者が、検索を通じてオウンドメディアを訪問し、そこに書かれた情報(コンテンツ)を信頼することでリピーターへ、何度も訪れるうちにリピーターからその企業のファンになり、お問い合わせから商談に繋がる、この一連の流れをコンテンツマーケティングと呼びます。
広告による集客との違い
リスティングをはじめとするデジタル広告は、出稿企業が増えることで単価が上昇し続け、年々費用対効果が悪化するシーンも少なくありません。その点、コンテンツマーケティングは「魅力的で役立つコンテンツ」によってユーザーを引き込みます。見込客が生まれる媒体を自社で資産化していく手法のため、中長期的な顧客の獲得に効果を発揮します。
コンテンツマーケティングでできること
コンテンツマーケティングを利用することで、あらゆるユーザーへのアプローチが可能です。ここでは、コンテンツマーケティングでできることの例として3つご紹介していきます。
リードナーチャリング
コンテンツマーケティングを利用することでリードナーチャリングを行うことができます。リードナーチャリングとは、潜在顧客が必要な情報を欲しいというタイミングで、企業側がその潜在顧客が必要とする情報を提供し、購買前により良い関係を築いていくことです。また既存顧客に対しては、より良い情報を提供することで、良好なコミュニケーションをとり、長く製品を利用してもらい、またさらに購買をしてもらうためのアプローチ方法です。
リードナーチャリングについては「リードナーチャリングとは?基本からシナリオ作成のポイントまで」で詳しくご紹介しています。
ホワイトペーパーマーケティング
コンテンマーケティングを通して、商品の紹介資料やカタログではなく、潜在顧客や既存顧客の役に立つ資料を無料でダウンロードできるようにする手法をホワイトペーパーマーケティングといいます。主に、潜在顧客への課題解決に役立つ内容となっており、有益な情報を提供することで、興味、購買意欲を高める狙いがあります。またダウンロードを行う際に得られる、個人情報から、さらに情報提供や顧客フォローが可能となり、関係強化を図ることができます。
ホワイトペーパーマーケティングの導入については「顧客獲得に役立つホワイトペーパーマーケティングの活用法」で紹介していますので、合わせてご覧ください。
コンテンツSEO
コンテンツマーケティングは顧客との関係づくりだけでなく、近年の「コンテンツ重視」のSEO対策とも重なる部分が多くあります。コンテンツマーケティングではスモールキーワードを積み重ね、良質なコンテンツを作り続ければ、ユーザーへのリーチも向上し、結果的にビッグキーワードでの検索上位表示も可能となります。
ご存知のようにスモールキーワードは検索回数こそ少ないですが、ユーザーの関心度が高く競合が少ない中で順位が上げられるキーワード。
このスモールキーワードを狙ってコンテンツを作り上げることが潜在顧客の育成につながり、上で紹介したリードナーチャリングへとつながっていきます。このようにコンテンツマーケティングを利用することで、可能となるアプローチ方法が多数存在します。
コンテンツマーケティングが注目される理由
1990年代から続くインターネットの歴史の中で、現在コンテンツマーケティング注目されるようになってきたのはなぜでしょうか。その点についてご説明していきます。
なぜコンテンツマーケティングは最近になって注目されているのか?
かつてはCMSなどの技術もまだまだ発展途上で、WEB上にコンテンツを掲載することができるのは制作技術を持ったエンジニアやデザイナーだけ。今ほど「コンテンツを発信する」ことのハードルは低くありませんでした。また、WEBサイトがあること自体が競合優位であったため、広告によってひたすらWEBサイトを宣伝するだけで売り上げにつながっていたという背景もあります。しかし、ネットと私たちの生活が密着している現代では、ユーザーの目も肥え、これまで主流であった広告依存の集客手法だけでは難しくなってきました。そんな中で、「自分達の持つ情報・ノウハウ・コンセプトなどの発信」によりファンを獲得するコンテンツマーケティングが注目されてきたのです。
数字から見る世界のWebサイトの数
ここでコンテンツマーケティングが注目される理由をお話しする前に、皆さんに知っておいていただく必要があるのが、世界、日本でのWebサイトの数です。
世界のWebサイトは2006年には1億件ほどでしたが、2016年には10億件以上のWebサイトが世界に存在しています。その数はさらに増え続け、複雑化、かつ多様化している現状にあります。ちなみに日本のJPドメインは140万件以上となっており、国内のWebサイトも大変多いことが理解できます。Webサイトが増えれば増えるほど、ユーザーが選ぶ情報も多様化し、選択肢が増えて行くことになります。そのためどれだけ良質かつユーザーの求めている情報がコンテンツとして提供できているかで、そのサイトの訪問するユーザーの数が決まってくるといえます。
数字から見るコンテンツマーケティングが今注目される理由
Webサイトのアクセスランキングは現在、1位がYahoo Japanで月間総PVは約100億、2位がGoogleで月間総PVは50億と言われています。この数字を見るとわかる通り、アクセストップのWebサイトが検索サイトということは、消費者の一連の行動が理解できます。それは、テレビや雑誌、ソーシャルメディア広告などから、気になった行動をブラウザで検索し、製品のWebサイトを閲覧して、商品購入を検討する行動に変わってきているということです。
調査によると88.3%の消費者がテレビや雑誌などで気になった商品をWeb検索し、店頭で気になった商品は約半数がその場、もしくは後ほどWeb検索をするという調査結果がでています。この理由から、数字から見る世界のWebサイトの数で触れたのと同様、消費者であるインターネットユーザーが求める「具体的な情報、そして良質な情報」こそが、必要になってくることが結論づけられます。
まとめ
コンテンツマーケティングは、その名の通りマーケティング手法であり、ただ単にユーザーへリーチし、PVが集まればいいというものではありません。取り組みを成功させるには、ユーザーに必要なコンテンツを制作しつつ、最終的に購買行動にユーザーが変化するように仕組化していくことが必要で、これがコンテンツマーケティングの要となります。
現在市場が拡大するコンテンツマーケティングは、今後もさらに重要性を増してくる可能性がありますので、社内の集客・顧客育成の手法として取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、コンテンツマーケティングの市場規模については「コンテンツマーケティング市場の今と今後を徹底分析」で詳しくご紹介しているので、合わせてご覧ください。
この記事は以下の資料を参考に執筆しています。