成功するPEST分析のためのポイント6箇条
前回の「PEST分析の基本と外部環境(マクロ環境)を把握する方法」という記事で、PEST分析の特徴や基本的な使い方についてご紹介しました。そこでは外部環境(マクロ環境)を把握することの大切さや、PEST分析の4つの軸(Politics:政治的な要因、Economics:経済的な要因、Society:社会的な要因、Technology:技術的な要因)について解説しています。
今回はそこからもう一歩踏み込んで、成功するPEST分析のためのポイントを6つご紹介します。PEST分析を実際に行う時の参考にしていただければと思います。
Contents
PEST分析のポイント6箇条
それでは早速、PEST分析のポイントを順にご紹介していきましょう。
PEST分析はよく使われているフレームワークとは言っても、実際に進めるのは簡単ではありません。ここでは6つのポイントを取り上げているので、PEST分析を実施する時に役立てていただければと思います。
※PEST分析の基本については前述の記事にて解説しているので、ここでは割愛します。
ポイント1:抜けもれなく書き出すこと
PEST分析は大きく2つのステップに分けることができます。一つ目は、外部環境を抜けもれなくリストアップするステップです。もう一つは、分析を行うステップになります。リストアップした要因から、自社に影響を与える要因を探したり、KSF(重要成功要因)を検討するのです。
この1つ目のステップ、つまりは抜けもれなく外部環境がリストアップできていないと、2つ目のステップである分析も中途半端なものになってしまいます。外部環境をリストアップする時は、ブレストやマインドマップなどのアイデア手法も活用しつつ、網羅的に書き出していくようにしましょう。
ポイント2:分析の範囲を拡げすぎない
PEST分析を行う時は、分析の対象とする範囲を拡げすぎない方が得策です。
先ほど、PEST分析は網羅的に行う必要があると述べました。どんな要因が自社の事業に影響してくるかがわからないからです。例えば、地域に根付いた事業であっても、グローバルな分析が功を奏すことは少なくありません。
ただし、そこまで範囲を拡げていると時間がかかりすぎます。PEST分析の難易度も上がるでしょう。マーケティングは精度も大切ですが、スピードもとても重要。状況に応じて、分析の範囲は適切に決めていくようにしてください。
ポイント3:現在だけでなく未来についても考える
外部環境は常に変化するものです。例えば、PEST分析の4つ目の軸であるT(Technology、技術的な要因)を考えてみてください。ご存じのように、技術の進歩は非常に速いです。現在の環境だけを見ていては、施策を実施するころにはもう遅いのです。
PEST分析を実施する時は、PESTの4つの項目と、現在・未来という2つの軸を掛け合わせて進めていくようにしてください。未来については、数年先もしくは少なくとも数ヶ月先までの状況について考えておくといいでしょう。
ポイント4:定期的に見直すこと
外部環境は変化するものだと書きました。ということは、外部環境の分析を行うPEST分析もその変化に合わせて実施していく必要があります。具体的に言うと、PEST分析は一度だけでなく、定期的に見直すようにしてください。
もちろんPEST分析は手の掛かる作業ですから、頻繁に行うわけにはいきません。ある程度の期間をおいて実施した方がいいでしょう。例えば、月次や四半期のレポートに合わせることもおすすめです。
ポイント5:PEST分析の項目を決めておく
PEST分析は自社ではコントロールできない外部環境を分析する方法です。とは言っても、自社の事業とは全く関係のない項目を分析する必要はないでしょう。
また、上ではPEST分析を定期的に見直すことの大切さについて述べました。PEST分析は手の掛かる作業ですから、毎回のように一から行うのも非効率。
おすすめは、PEST分析の項目を決めておくことです。自社の事業に合わせて項目を決めておけば、少ない(少ないと言うと言い過ぎですが)労力でPEST分析を進めていくことができるようになります。
ポイント6:具体的なアクションに落とすことを忘れずに
マーケティングでよくあるのが、分析で終わっていることです。PEST分析でもそれは同じ。PEST分析をすること自体が目的ではありませんよね?PEST分析を通して、最終的には具体的なアクションにまで落とし込む必要があるのです。
PEST分析の結果から、自社が行うべき事業やマーケティング戦略を検討します。直接ではないにしろ、その分析結果から具体的な施策を立てていくことを忘れないようにしてください。
まとめ
成功するPEST分析のためのポイントを6つご紹介しました。PEST分析は広く普及している手法なだけに、誤った使い方をしているケースも散見されます。ご紹介したポイントを参考にしていただき、御社のマーケティングに活かしていただければと思います。