web担当者がWordPress導入前に知るべき4つの事実
Web担当者としてホームページリニューアルなどでCMS導入を考えるとき、まずはWordPressを検討するケースも多いのではないでしょうか?
そこで注意して欲しいのが、実はCMSには有料のものもあるということ。
もちろん機能が豊富だからこその有料CMSですが、本当に社内に必要かどうかは見当が必要です。
そこで今回は実際に導入経験のある立場として、フラットな視点でWordPressを解説します。「便利そうだからWordPressを使ってみたい」というWeb担当者の方に向けて、導入前に知っておきたい4つのポイントを紹介します。
Contents
コンテンツ管理システム(CMS)として幅広く使われているWordPress
すでにご存じの方も多いかもしれませんが、WordPressは現在もっとも人気の高いCMSです。元々はブログ向けシステムとして開発されたWordPressですが、現在では企業のホームページも含めサイトの規模に関係なく幅広く利用されています。
また、最近ではコンテンツマーケティングの目的で自社メディア(オウンドメディア)を立ち上げる際にもよく使われます。
WordPressの主な特徴
◆オープンソースなので、自由にカスタマイズできる
ソフトウェアのライセンス料はかかりません。
◆デザインテンプレート(テーマ)の種類が豊富です。
公式サイトでは「最新」カテゴリだけでも4,458個のテーマが掲載
◆プラグインにより、機能追加が簡単にできます。
公式サイトでは48,870個のプラグインが掲載
導入前に知るべき4つの事実
ここで参考記事としてご紹介したいのは「無料ツールWordPressに潜む”落とし穴”」です。
上記記事の前半「WordPressは決して簡単なシステムではない」というところは、実は重要。(後半は広告なので関心のある方はチェックしていただければ…)無料で簡単だから自力で導入できるはず、と安易にWordPressに手を出して苦労した話は「Web担当者あるある」のひとつですね。そこで、導入前に確認すべきポイントを4つに分けて解説します。
(1)WordPressなら制作費・開発費が抑えられる、というわけではない
一般的にWordpressはソフトウェアのライセンス料がかからないため、無料で誰でも利用できます。テーマやプラグインも無料のものが多いため、すべて無料でまかなうことも可能といえば可能です。
ただ、実際には要件にあわせてホームページ全体の設計が必要ですし、サーバへのインストールや設定といった技術的な作業もしなければなりません。企業利用の場合、特にセキュリティに配慮することも重要です。
WordPress自体は無料で利用できますが、こうした作業があることを踏まえて外部の制作会社・開発会社に委託するコストを見込んでおくべきです。
デザインもすでにあるテーマを利用することもできますが、やはりそのまま使うというのはおすすめできません。企業ホームページの場合でも、自社のVI/CIにあわせてデザインを調整する必要がありますし、想定するターゲットにあわせたデザインを検討する必要があります。
コンテンツが10ページ以下であれば、むしろCMSを使わない静的ページの方が低コストという可能性もあります。「WordPressは安価だから導入する」というのではなく、求める要件を満たすかどうかをチェックしたいところです。
ランニングコストも見込んでおく必要があります。確かにWordPressはライセンス料がかからない一方、公式なサポートはありません。最初の構築時にWordPressのソースをカスタマイズしている場合は、その開発会社と保守契約を結んでおかないとトラブル時にすぐに対応できない状況になってしまいます。
WordPressのバージョンアップやプラグインのバージョンアップのタイミングでは、動作検証も必要です。
(2)「Worpdressなら更新は簡単」と言われるものの、すべて社内対応とはいかない
WordPressは管理画面から記事の更新ができます。記事の追加やすでにアップされている記事の修正など、社内Web担当者の方がすぐに対応できるメリットがあります。外部のライターへアカウントを渡し、直接管理画面から記事を投稿してもらう運用も可能です。
ただし記事以外の更新も含めて、すべて社内で対応する前提で考えるのはNGです。複雑なレイアウトのページを追加するときは、社内で対応しきれないことも多いはず。ナビゲーションの変更なども、レイアウトが崩れる恐れがあるので要注意です。社内で行うことと、外部に依頼することを整理しておく必要があります。
(3)WordPressの魅力は拡張性!ただしプラグイン追加には注意が必要
機能を追加できるプラグインの種類が豊富なのも、WordPressの人気が高い理由のひとつではないでしょうか。SEO、アクセス解析、SNS連携など多くのプラグインを使って機能の追加ができます。ただし、あれもこれも入れてしまうと、問題が起こるケースも。プラグイン関連では、以下の点に注意しましょう。
- 事前にテスト環境で動作検証をしておきましょう。
- プラグインの入れすぎに注意!
(相性の悪いプラグインもあったり、プラグインのせいで画面表示が遅くなることもあります。) - バージョンアップの際はプラグインの動作検証も必要です。
(4)別システムへの移行&バックアップも可能、ただし一般人では難しいことも
CMSを使う上で気をつけたいのが、データのバックアップ機能と一括エクスポート機能です。
いざというときに備えて定期的にデータ一式をバックアップしておくことは、企業ホームページでは必須です。サーバ側でバックアップをする方法もありますが、WordPressの場合バックアップ用のプラグインを利用することもできます。
一括エクスポート機能は、別のサーバに引っ越したいときや、WordPress以外のCMSに移行したいときなどに使う機能です。
どちらもサーバやデータベースを扱うため、詳しくない方が行うとデータ消失など大きなトラブルに発展する可能性があります。開発会社などに依頼したほうが安全です。
まとめ
CMSとして人気の高いWordPress。カスタマイズの自由度やデザイン・プラグインが豊富な点など多くのメリットがあります。とはいえ、Web担記事でも指摘されている通り、実際には誰でも無料で簡単にできるというものではありません。
お伝えした4つのポイント「開発・制作コスト」「更新体制」「プラグイン」「データ移行・バックアップ」においては、社内のWeb担当者だけでは対応が難しい場面が多いのも事実。外部の制作会社・開発会社に委託することを前提に、WordPressを検討することをおすすめします。