ホームページリニューアルのスケジュールを遅延させないための対策

ホームページリニューアルを行う際、リリース日までのスケジュールを計画的に組んだつもりでも、実際はその通りに進まないことがほとんどです。リリース間際に突然修正が入ってやり直すこともあれば、担当者からの確認の戻しが遅れるケースなど要因は様々。遅延させないために事前にできることとあわせて、どうしても遅れそう!というときの対策をまとめました。

 

誰がいつまでに作業するかをスケジュール表に落とし込む

ホームページリニューアルのスケジュールは、大きく4つのステップに分かれます。

1.企画ステップ

  • 現状の課題を整理、リニューアルの目的を決める
  • 企画書を作成し、概算の見積もりを取る
    ※複数の制作会社へ企画や見積もりを依頼する場合は、比較検討する期間を設ける
  • リリース日を決定し、大まかなスケジュールを組む
  • 社内プレゼンを行い、決裁をとる
  • 正式に制作会社へ発注する

2.プランニングステップ

  • 詳細スケジュールを組む
  • 要件定義
  • ワイヤーフレーム制作(トップ)
  • デザイン案制作(トップ)
  • ワイヤーフレーム制作(下層ページ)
  • デザイン制作(下層ページ)

3.制作ステップ

  • 各ページの原稿(文章・写真などの素材)を準備する
  • デザイン・ワイヤーフレーム、原稿が揃ったページからコーディングを開始する

4.リリースステップ

  • テスト環境でのチェック
  • 本番環境へリリース
  • 納品(検収)

※上記の例は、サーバやドメインは従来使用していたものをそのまま使い、CMSではなく各ページごとにコーディングする想定です。

全体のスケジュールは1の企画ステップの時点でおおまかに決めますが、細かいスケジュールは2のプランニングステップに入ってから検討するのが一般的です。

 

余裕をもった確認期間を設ける(特にトップページのデザインは特に念入りに!)

担当者としてスケジュールを組む上で気をつけたいのは、確認期間。デザインやワイヤーフレームなど制作会社が提出したものをチェックするとき、担当者が他の業務で忙しくチェックできないとスケジュールが遅れる原因になってしまいます。(経験上、デザインやコーディングなどで遅れるというよりは、確認で遅れるケースが多いです…)確認期間が1日しかない場合は、特に要注意です。

社内担当者以外にも、チェックが必要なメンバーについても確認しておきましょう。特にトップページのデザインやワイヤーフレームは担当者のみではなく、上司をはじめ関連するメンバーに確認を取っておく必要があります。制作上、トップページの案をベースに下層ページも量産していくことが多いため、トップのデザインが変わると全体的にやり直しになる可能性が高いです。

また、打ち合わせ以外はメールのやり取りで進行することが多いですが、大量のメールが飛び交うと進捗がわかりづらくなることも。そんな時はグループウェアなどのサービスを使うことをおすすめします。

 

意外に見落としがちな、ホームページリニューアル当日の作業

リリース当日が近くなったら、当日のスケジュールも組んでおきましょう。サーバやドメインを変えずに単純にファイルをアップロードする場合でも、当日の何時ごろに作業するか決めておく必要があります。また、リリース後に動作確認する時間をみておくことが必要です。ホームページの表示に問題がないか?という確認はもちろんですが、フォームやアクセス解析など導入しているものが問題なく動くか検証しておく必要があります。リンクチェックもしておきましょう。

もしリニューアルにてCMSの導入などシステムの変更があったり、ドメインやサーバの移管も行ったりする場合は、当日の作業はより複雑になります。場合によってはリリース作業中○時から○時の間は一般ユーザからの閲覧を一時的に止める、というケースもあります。当日のタイムスケジュールを細かく決めておくとともに、当日のトラブルに備えて制作会社に連絡がつく体制にしてもらうよう依頼しましょう。

 

どうしても間に合わないときは、フェーズを分ける方法もある

実際には、当初のスケジュール通りに進めることはなかなか難しいのが現状です。リリース日を遅らせる手段もありますが、当初から決まっているリリース日の変更は影響範囲が大きく、厳しいケースが多いです。

そんな時によく使うのは、優先順位を決めて、リリース日までにどうしても必要な機能・ページのみ1次フェーズとしてアップし、残りを2次フェーズとして後日リリースする方法です。

ホームページの場合、リリース後も更新が随時行われるのが普通なので、ユーザーにとってあまり違和感なく見せることができます。ただし、間に合わなかったページを「工事中です」というような表記にすると、ユーザーに作りかけと思われてしまうので避けましょう。(工事中は最近ほとんど見かけなくなりましたが)1次フェーズに間に合わないページについては、ナビゲーションやサイトマップページから外しておく必要があります。

また、フェーズ分けをした場合、制作会社から再見積もりが出てくることも想定しておきましょう。(制作期間が長くなる分、制作スタッフの人件費が増えるため)フェーズ分けするときは、制作会社と日程面だけでなく金額面についても相談しておく必要があります。

 

まとめ

当初の計画ですでにリリース日まであまり余裕がない…というホームページリニューアルも実はけっこうあります。お伝えしたように誰がいつまでに作業するかを決めておくのが前提ですが「そっちが準備していると思っていた」というズレがないよう、担当者と制作会社の双方の認識を合わせておくこともポイントです。なるべく状況を共有するために、打ち合わせをこまめに行うほか、ドキュメントをクラウド環境に保存しておき、最新の状態で共有できるようにするのも手です。