コンテンツマーケティングのKPIがわからない?今すぐ見るべき3つの新KPI

コンテンツマーケティングは継続してコンテンツを制作していくため、それなり運用コストがかかります。その一方でなかなか成果が見えにくく、費用対効果がイマイチに見えてしまう…なんて悩みを持つ方も多いと思います。実際PVが増えているということだけでは、かかったコストに対してどれだけ効果が出ているのかわかりづらいですよね。

「コンテンツマーケティング」ECサイトに対する売上のように、わかりやすい成果が見えにくいという特徴があります。「コンテンツマーケティングを続けているけど思ったように数字が伸びず困っている」というときは、普段チェックしているPVやコンバージョンと別の指標も見てみましょう。

今回はコンテンツマーケティングの成果を見る時に、PVやコンバージョン以外でおさえておきたいKPIを3つ紹介します。KPIとは「Key Performance Indicators」の略で、日本語にすると「重要業績評価指標」となります。

KPIは最終的な目標を達成するプロセスにおいて計測・評価する指標のこと。コンテンツマーケティングの場合、たいていは企業の売上をアップさせることが最終目標になりますが、売上数値を見てもコンテンツマーケティングの成果かどうか判断するのは難しいのも事実。そのため最終目標の手前で評価していく必要があります。

「コンテンツマーケティングのKPI」というテーマの記事はすでにたくさんありますが、KPIになりうる指標をたくさん載せているケースが多いようです。とはいえKPIが10個もあるのは、ちょっと多すぎではないでしょうか?かえってどのKPIを見ればいいのかわからなくなると思うんですよね。

それにたくさんのKPIをチェックしていくのは作業負担が大きくなりますし、少人数でコンテンツマーケティングに取り組んでいると正直現実的ではありません。ですから今回は、PVやコンバージョンの他におさえておきたいKPIとして、3つに絞り込みました。

コンテンツの集客力を見るためのKPI「流入数」

コンテンツマーケティングを進める目的は企業によってさまざまですが、一般的にコンテンツをフックに潜在的なユーザーを呼び込みたい、と考えているところが多いのではないでしょうか?そのためにSEOに力を入れているところも多いでしょう。ですから新たなユーザーを集客できているか、というところで評価できると思います。

この集客力をみるためのKPIが「流入数」です。流入数とは、検索エンジンなど外部からユーザーがアクセスした数値のこと。流入数が多いコンテンツは、集客力が高いと言えます。

Googleアナリティクスの場合、「集客」メニューの「ランディングページ」で見ることができます。この画面では、サイト全体の流入数のほか、コンテンツ(ページ)ごとの流入数も見ることができます。

まずサイト全体での流入数をチェックしましょう。流入数というKPIをもとに「コンテンツマーケティングにかけたコストに対して、どれだけ外部のユーザーと接点が持てているか」がわかってきます。

またコンテンツ別の流入数を把握することで「どんなコンテンツの集客力が高いか」という傾向が見えてきます。流入数をもとにコンテンツ戦略を立てていけば、より費用対効果の高いコンテンツマーケティング実践できるはずです。例えば「集客につながっていないコンテンツはリライトなどのテコ入れする」「集客力の高いテーマで新たにコンテンツを制作する」といった次の施策につながるでしょう。

目標ページへの送客力を見るためのKPI「目標ページへの遷移数」

外部から集客できたら、呼び込んだユーザーをゴールとなる目標ページにしっかり送客できているかが気になるところではないでしょうか。ここでいう目標ページとは、ECサイトであれば商品紹介ページ、BtoBサイトであればサービス紹介ページやコーポレートサイトなど、誘導したいページのことを言います。

集客力は高いものの送客数はあまり多くないというコンテンツもありますし、その逆のパターンもあります。ですから集客力とあわせて、この送客力についても、目標ページにどれだけ遷移したかという数字をKPIとして見ていきましょう。

Googleアナリティクスで見る場合、あらかじめ「目標」設定をしておけばOKです。一般的にはコンバージョン数を図るために目標を設定すると思いますが、指定したページへのアクセスを目標に設定することもできます。なお目標ページは1つではなく、複数設けてももちろん大丈夫です。コンテンツマーケティングの目的にあわせて、目標ページを設定することが送客力のKPIを見る上で重要です。

コンバージョン数よりも、数値としては多くでると思われます。コンバージョンの指標ではなかなか効果が見えてこない、というときはぜひチェックしてみましょう。

PVだけでは足りない?認知度を測るためのKPI「SNSシェア数」

自社や自社製品・サービスの認知度を高めたい、という目的でコンテンツマーケティングに取り組むケースも多いのではないでしょうか。こうしたケースでは、どれだけたくさんの人にコンテンツを届けられたか?という指標をKPIに設定したいところ。通常はPVやセッションといった指標をKPIとして考えると思いますが、最近ではSNSのシェアで認知度を測るケースも増えてきています。

今ではTwitterやFacebookなどといったSNSでコンテンツが拡散するということも普通になってきました。特にBtoCの場合、コンテンツマーケティングにおいてもSNSでの拡散をはじめから狙った施策に取り組んでいるところもあります。

ただしPVだけ見ていても、SNSでどのくらい拡散したかどうかまで効果測定することは難しいですよね。つまりコンテンツがどれだけ見られているかを測るには、PVだけでは足りないということなんです。ですから「SNSのシェア数」についても、KPIとして見ていくことをおすすめします。なお、シェアのほか、いいねやリツイートなどの数値をKPIにするケースもあります。

コンテンツページに設けたSNSのボタンのクリック数を調べるには、Googleアナリティクスの場合イベントトラッキング用タグを使う方法か、もしくはソーシャルインタラクションという仕組みを使う方法があります。

ソーシャルインタラクション(Googleアナリティクスヘルプ)

ただSNS側でどのくらい拡散したかまで追いかけるには、Googleアナリティクス以外のSNS解析ツールを使う必要が出てきます。ここについては、また詳しく別記事で解説していきます!

PVはそれほど高くないものの、実はSNSでのシェアが多かったコンテンツがあるかもしれません。こうしたコンテンツごとの傾向を知っておけば、その後のコンテンツマーケティング戦略を考える上で有益になるのではないでしょうか。

3つのKPIもチェックして、コンテンツマーケティングの成果を見つけよう

PVやコンバージョン数は、コンテンツマーケティングのKPIにおいて標準的な指標なので、当然重視していく必要があります。なお直接的なコンバージョンにつながっていなくても、間接的にコンバージョンに貢献しているケースもありますので、こういった視点を持つのもひとつの方法でしょう(※このあたりは別記事「効果測定に行き詰まったらGoogleアナリティクスのアトリビューション分析で解決」で詳しく解説しています)。

とはいえコンテンツマーケティングの目的によっては、標準的なKPIだけではなかなか効果が見えてこないこともあります。そこでコンテンツマーケティングの成果が出ていないと判断してしまうのは、ちょっともったいないですね。

今回紹介した「流入数」「目標ページへの遷移数」「SNSのシェア数」というKPIも見てみると、意外なところで成果が出ていたという新しい発見があるかもしれません!