AIによる無料解析時代の到来「Analytics Assistant」
Googleが人工知能(AI)分野に力を入れていることはみなさんご存じのとおりでしょう。この人工知能の技術を使い、Google Analyticsの各種データからサイトの改善に役立つインサイトを共有してもらえるのが、このAnalytics Assistant(アナリティクス アシスタント)です。実際にどういったインサイトを共有してくれるのかをご説明していきます。
Contents
Analytics Assistantの利用方法
Analytics Assistantとは
2016年9月にGoogleアナリティクスモバイルアプリの英語版向けに追加された分析補助機能です(現在は日本語版も使えます)。要するに、Googleが誇る人口知能を使い、Google Analyticsのデータから有意義な改善案を教えてくれる機能です。コンセプトとしては、マーケターはデータを分析することに今後は時間を使うのではなく、より戦略的な思考に時間を使うようにしましょう、というコンセプトです。
分析したいサイトへのGoogleアナリティクスの設置
当たり前ながら、分析したいサイトにGoogle Analyticsタグが設置されている必要があります。今からAnalyticsタグを設置するのであれば、是非Googleタグマネージャータグを利用しましょう。また、すでにAnalyticsタグが設置されていたとしても、これを機にGoogleタグマネージャータグを利用されることをおすすめします。デザイナーやコーダーの手を借りることなく、管理画面から自由にタグを設置・変更できるからです。またイベントトラッキングなどの機能もhtmlファイルを修正することなく、このタグマネの管理画面から設定が可能です。
アプリのインストール
アシスタント機能はアプリ上でしか使えません。よって、この機能を使うためにはまずはアプリをインストールする必要があります。AndroidでもiPhoneでもGoogle Analyticsのアプリは提供されているのと、どちらも使い勝手は変わらないのでまずはアプリをインストールしてみて下さい。
Analytics Assistantの概要
Analytics Assistantのインサイト①
上記図1の「前月と比べて99%セッションが増加している」との指摘をもとに、Analytics Assistant(アナリティクス アシスタント)がどのような考察とアドバイスをくれるのかを見ていきます。
Analytics Assistantのインサイト
- モバイルからの自然検索流入が122.6%増えました。
- デスクトップからの自然検索流入が81.7%減りました。
- Directチャネルからの流入が241.6%増えました。
現状のAnalytics Assistantの課題
セッションが増えていることと、その流入経路の増減を教えてくれたわけですが、正直これだけのインサイトですと、すぐに何かを変えるという判断を下すのは難しいと思います。流入が増加した際に、チャネル毎の増減をまず確認するのは当たり前のことだからです。そこから1つ2つ踏み込んでの提案があると尚良いと感じます。
Analytics Assistantのインサイト②
同じように、今度は図2の「前月と比べて新規ユーザーが増加した」という指摘をもとに、Analytics Assistant(アナリティクス アシスタント)がどのような考察とアドバイスをくれるのかを見ていきます。
Analytics Assistantのインサイト
- モバイルで、かつDirect経由での新規ユーザーが285.1%増えました。
- モバイルで、かつ自然検索経由での新規ユーザーが118.4%増えました。
- アジアからのデスクトップを利用しての新規ユーザーが80.4%増えました。
現状のAnalytics Assistantの課題
如何でしょうか。もしあなたがWebの担当者だとして、上記のインサイトから何かしら有効な打ち手を考えることは可能でしょうか。おそらくは、「なんでそんなに増えたんだっけ?」と更に踏み込んで考える必要で、現時点での情報では判断がしづらいと思います。Googleが「なぜ」「どうやったら」の部分をより細かく具体的に指摘できるようになると、より一層Analytics Assistant(アナリティクス アシスタント)が便利になると言えます。
おわりに
以上の通り、セッションやPVが増えた(減った)ことをすぐに把握するには便利な機能ですが、このAnalytics Assistant(アナリティクス アシスタント)を使ってサイトをスピーディーに改善していくというところまでは、まだまだ時間がかかりそうです。ただし、試みとしは非常に面白い試みなので、今後のGoogleの改善に大きく期待しています。