WEBライティングのプロが抑えているライティングテクニック
Webライティングのプロが各種のコンテンツをライティングする上で、それぞれのコンテンツのタイプで抑えているポイントが異なります。どのタイプのコンテンツにも普遍的に通用するセオリーのようなものは無いので、まずはどういったコンテンツをユーザーに読んでもらうのかを考えましょう。
その上で、「フック系コンテンツ」「まとめ系コンテンツ」「解説系コンテンツ」などでそれぞれライティングのコツがあるので、本稿を参考にしてライティングをしていただければと思います。
Contents
フック系コンテンツの書き方
フックとは
本文を全て読ませるために、読者を一気に惹きつけるための最初の導入部分のことです。この「フック」(hook)という言葉は本来、「留め金」、「つるす」、「引っ掛ける」という意味を持っています。導入部分の文章で引っ掛けて、ユーザーに「続きを読みたくて読みたくて」という気持ちにさせます。
ギャップを創り出す
読者をフックで引っ掛けるためには、タイトルと冒頭部分でギャップを作り出す必要があります。タイトルは本文を一言で要約した内容になります。よって、タイトルを見れば、本文で展開される内容がある程度は分かります。それを冒頭部分で良い意味で裏切るのです。例えばですが、「Webライティングはタイトルが全て」というタイトルにも関わらず、冒頭部分で「多くの人がWebライティングはタイトルが全てと言いますが、実は間違いです」といった内容で文章をはじめると、「なぜ?」という疑問が頭に浮かびます。自分が持っている常識と異なる場合、人はその理由を知りたくなります。
本文では丁寧に説明する
第一段落で読み手の予想を裏切った後は、それを丁寧に説明する論理が必要です。言いっ放しで終わりではなく、それを裏付ける根拠を丁寧にユーザーに示していきましょう。ギャップを作り出すことだけを考えれば、実は誰でもできます。最後まで文章を読んでもらうためには、この裏付け作業が最も重要になるのです。この論理展開や根拠が稚拙な文章を書いてしまうと、一瞬にして読み手の興味関心を失わせてしまいます。
まとめ系コンテンツの書き方
軸を明確にすること
何かのテーマでまとめる際に、そのまとめ方は千差万別です。どういう切り口でまとめるのかを最初に定めましょう。「素敵なレストラン」なのか「癒やされる音楽」なのか。実はこのまとめ方の軸に個性が出てきます。「素敵なレストラン」の「素敵」さをどう表現するか。例えば、イタリアンや中華という国でまとめることもできますし、都内といった地理的な要素でまとめることもできます。ターゲットとなるユーザーを想定しながら個性を押し出した軸でまとめましょう。
全体をおさえること
まとめ系記事に対しては、ユーザーはある程度把握できればよいという期待値でしか読んでいません。よって、抜けや漏れがあるとユーザーの期待値を大きく下回ってしまいます。特に、ユーザーがその分野について多少なりとも明るいユーザーであれば、「自分が知っているあの情報やこの情報もない」と落胆し、記事に対する信頼性の欠如から離脱へと向かってしまいます。そうならないためにも、記事の質もさることながら、全体感をきちんとおさえたまとめにしましょう。
引用元をしっかりすること
まとめ系記事はまとめるのがコンテンツの中身になるので、どこの情報を使ってまとめているかは都度ユーザーに示していく必要があります。この引用のルールをきちんとおさえないために、記事のみならず、メディアそのものが多くのユーザーから批判されてしまうケースもあります。タイムリーな話題として、2016年12月それにより閉鎖まで追い込まれてしまった大手メディアもありました。引用については、「コンテンツマーケティングの要!WEBライティングの基本」を参照して下さい。
解説系コンテンツの書き方
画像を多用する
解説系コンテンツで重要なのは、画像を多用して分かりやすく説明することです。文章だけでは伝わりづらいことも、画像が大部分を補足してくれます。特に、難しいテーマを扱った解説を行う場合は、その概念と概念がどうつながっているのかを文章のみで追っていくのは限界があり、「難しい」「よく分からない」というだけでユーザーが離脱してしまいます。そこで、概念図、マップ、フロー図、因果関係図などを途中途中で差し込むことで、ユーザーの離脱率を下げることができます。
実体験を書く
実際に自分が手を動かして書いた文章なのか、どこかのサイトから引っ張ってきた情報なのかは、読んでいてすぐに分かります。例えばですが、「Facebook広告の出稿の仕方」という解説系コンテンツを作りにあたり、実際に手を動かしながら記事を書いていると、ユーザーと同じ目線・同じ疑問を持って書くことができます。それらが実際のコンテンツに反映されると、ユーザーにとって価値の高い文章となります。
プロセスを丁寧に書く
どんなユーザーが解説記事を読んでくれるか分からないので、どんな読み手でも理解できるように、解説はその1つ1つのプロセスを丁寧に書いていきましょう。上述の「Facebook広告の出稿の仕方」というコンテンツでも、Facebookに慣れているユーザーを対象に書く文章と、使い慣れていないユーザーを対象に書く文章とでは解説スピードの早さが異なってきます。理解度が高いユーザーは該当部分を飛ばしながら読んでいくので、理解度が低いユーザーに向けてまとめていきましょう。
面白系コンテンツの書き方
面白いを定義する
何をもって面白いとするのかで、ライティングの内容は変わります。「Funny」なのか「Interesting」なのか。この定義を曖昧なままに書いてしまうと、読み手の満足度を下げてしまいます。「Funny」なら「Funny」と決めた場合、その軸に沿ってどのようにコンテンツを面白くしていくのかを考えましょう。
セオリーを崩す
論理を崩したり、文体を崩すなどして遊び心を持った文章にしましょう。時には「です」「ます」調を避けたり、細かいところで言えば空白行をリズミカルに設けるなどの工夫もできます。正直、ここについては説明が難しいところでもあるので、面白さで有名なサイトを複数見て感覚をつかんで下さい。
ユニークな写真を使う
1枚の写真が1,000字の文章に勝ることも多々あります。面白さを追求するのであれば、無料の素材サイトの写真ではなく、写真も自社できちんと撮りましょう。無料の素材サイトの写真では面白さを謳ったコンテンツでは役不足ですし、何より他サイトでも使われていることが多いので独自性が失われてしまいます。プロのカメラマンに撮ってもらうのが理想ですが、難しい場合でも社内で写真を撮るのが好きなメンバーに任せて、コンテンツに合った写真を撮りましょう。
体験系コンテンツの書き方
実際に体験したことを書く
当たり前ながら、人から借りた文章(体験記)でコンテンツを作ってもユーザーは満足しません。実際に読んでみると分かるのですが、実体験に基づく文章とそうでない文章とでは、文章の温度感が異なってきます。1つ1つの文章に対して込められるリアリティが異なると言っても良いかもしれません。可能な限り自分で体験をして、その内容をライティングしましょう。
(自分が無理であれば)体験した人に話を聞いて書く
仮に自分が体験することが無理であっても、体験者の話を聞きましょう。これは次節の「インタビュー系コンテンツの書き方」と重なる部分があるので、詳細はそちらに譲りますが、実際に体験した人のリアルな話をヒアリングして、それを可能な限り忠実に再現して言葉にするのです。
インタビュー系コンテンツの書き方
話題の人にインタビューして書く
当たり前ながら世間的に人気のある有名人へのインタビュー記事は、多くのユーザーから検索されやすく、読まれる可能性が高くなります。有名人と言っても、何も芸能人ばかりをインタビューすればいいわけではありません。そもそもですが、そういった方々にアプローチするのは現実的に難しいでしょう。よって、その道の有名人に話を聞くのです。「お菓子作りの一流職人」「和傘の一流職人」など。運営するメディアに関連する一流の方に話を聞き、それをユーザーに検索されやすいタイトルにまとめると良いでしょう。
質問事項を予め用意しておく
行き当たりばったりのインタビューになってしまうと、引き出せる内容も陳腐なものになり、ライティング文章もクオリティが低くなってしまいます。必ず事前に質問事項を用意しておくことを忘れないで下さい。基本的には全ての質問事項をピックアップしておき、理想的にはその質問への回答に対して、もう1つくらい踏み込んだ質問もイメージしておくと良いと思います。それぐらい考えて事前準備をしておければ、当日のインタビューもスムーズに進みますし、何よりインタビューの対象者から「非常によく考えられているな」と好感を持ってもらえます。
他社サイトのインタビューは確認して書く
上記と似ていますが、仮に質問事項を予め用意してあったとしても、他社サイトと重複しているようだとオリジナルなライティングになりません。対象となるインタビュー者の過去の記事や、もし著作があるなら一通り目を通しておくと良いと思います。他社に無いコンテンツを作るには、それくらいの労力をかけてコンテンツを作り込みましょう。
動画系コンテンツの書き方
メインメッセージを明確にする
動画は言葉よりもコントロールが非常に難しいコンテンツです。視覚と聴覚にフルに訴えかけるので、こちらが想定しているよりも多くの情報をユーザーに与えてしまうからです。よって、何を伝えたいかを明確にして、それが伝わるように極力余計な情報を削っていく必要があります。足し算の発想で映像と文章を作っていくのではなく、引き算の発想でコンテンツを作っていくのです。
喜怒哀楽のどれに着目するか決める
メッセージの伝え方は幾通りもあります。そのメッセージを一番効果的に伝える上で、一番適切な感情に着目しましょう。そのメッセージと感情がマッチするように、細部を作り込んでいくことで、視聴者に最後まで観てもらえる映像になります。
おわりに
様々なコンテンツのWebライティングテクニックをご紹介しましたが、基本にあるのはやはりユーザーを中心に置いてライティングをするということです。自分が書きたいものを書くのではなく、ユーザーが読みたいと思えるものを書いていくことで、読み手にとって価値のあるライティング文章になります。それが結果としてはGoogleからの評価を高めて、検索上位に表示されやすいコンテンツとなります。
コンテンツマーケティングの流行に伴ってWEBライティングの需要が益々増える中、質の高いコンテンツを作り上げることが今後のメディア運営の肝となることは間違いないので、しっかりとライティングテクニックを磨いていきましょう。
なおコンテンツマーケティングについての基本情報は「今更聞けないコンテンツマーケティングの基本」でまとめていますので、合わせてご覧ください。