記事の質を左右する!WEBライティングルールとは

記事の質を左右する!WEBライティングルールとは

記事の質はWebライターだけに依存するものではありません。Webライター向けに完璧なWebライティングルールを整備するだけで改善するわけではないのです。記事単位で考える前に、より大きなメディアという単位でWebのライティングルールを捉える必要があります。まずメディア全体でのブランディング方針を定め、その1要素としてWebライティングのルールを整備することで、質の高い記事を生み出すことができるようになります。

メディアブランディングという考え方

メディアブランディングという考え方

Webメディアにはそれぞれコンセプトがある

全てのメディアには、それを成り立たせるコンセプトが必ずあります。厳密には、良質なメディアにはとお伝えした方がよいかもしれません。Yahooなどのような巨大なポータルサイトを除き、それは料理だったり、日本食だったり、自宅で作れる料理だったり、何かしらのコンセプトを持って通常メディアは運営されています。逆にこのコンセプトが無いメディアは、記事の質も低くなります。

コンセプトの役割はそのメディアに指針を与えることです。企業に例えるなら、ミッションや経営理念と言った言葉に置き換えられると思います。自社にとって何が重要で、どういった姿を目指せば良いのかはミッションや経営理念を見れば分かります。もちろん、それらが全ての社員まで浸透しているか否かは別問題ですが。メディアのコンセプトの考え方も同様です。

全てのコンテンツはコンセプトに従う

ライティングだけではなく、イメージ画像、映像、デザインなど、全てのコンテンツはこのメディアのコンセプトに従って追加されていきます。細部が明確な方針のもとに設計されていることで、メディア全体としてブランディングが成立するのです。このメディアブランディングがあるからこそ、「●●メディアといったら、××だよね」という印象がユーザーの中で創られます。

記事の質を左右するWEBライティングのルールは、まずこのコンセプトをきちんと確立するところからはじめます。「ですます調でライティングをする」「タイトルにはキーワードを含める」といったルールはより下位概念のライティングルールとなります。

コンセプトとペルソナ

ペルソナという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。もしご存知なければ、ペルソナについては、「マーケティング戦略の要!ペルソナの基本と設定方法」をご覧下さい。このペルソナも、サイトのコンセプトが無ければ考えることはできない概念と言えます。コンセプトもペルソナも共に欠くことのできない重要な考え方です。

ブランディングを成功させるWebライティングのルール

ブランディングを成功させるWebライティングのルール

Webライティングにもルールがある

そして、上述のようにライティングにもメディアコンセプトを成り立たせるためのルールが存在します。それらはメディア単位で守るべきルールと、ライティングそのもののクオリティを守るためのルールに分けられます。後者は更に、「Webライターに事前に伝えた方がよいこと」と「ライティング後に伝えた方がよいこと」に分けてご説明していきます。

メディア単位で守るべきWebライティングルール

ペルソナは安易に変更しない

ペルソナを設定するということは、読み手であるユーザーの知識レベルや志向性などを考慮してライティングをするということです。そのペルソナを安易に変更してしまっては、コンテンツのバランスが非常に悪くなってしまいます。あるコンテンツは初心者向けのライティング、あるコンテンツは上級者向けのライティング等といったように。そうなると、「他の記事も読んでみよう」という気持ちが薄くなり、回遊性が悪いメディアとなってしまいます。

ページ毎の口調や言い回しは揃える

例えペルソナが同じペルソナで設定し続けてライティングをしたとしても、あるコンテンツでは「です・ます調」でライティングをし、違うコンテンツでは「だ・である調」でライティングがされていれば、読み手に違和感を与えてしまいます。よって、口調や言い回しは統一してコンテンツを追加していきましょう。

ライターのレベルを揃える

ライターによってライティングのレベルに差がある場合、ある程度は編集者の力によって調整することができます。ただし、やはりライティング初心者と上級者とでは調整にも限界があります。また、そのメディアが提供するテーマが好きなライターと、嫌い(不得手)なライターとでは、ライティング文章に滲み出るニュアンスに差が生じます。

定期的に更新する

定期的に更新されているというのは、メディアを運営する上で非常に重要なルールです。最終更新日が2年前のメディアであれば、どんなに良いコンテンツがあったとしても、ユーザーがまた訪問する可能性は低いでしょう。Googleから高い評価を得るという目的も兼ねて、更新頻度は一定に保ちましょう。

Webライターに作業前に伝えた方がよいライティングルール

詳細は「編集者が教えるWEBライターの文章力を向上させるためのポイント」をご覧いただければと思いますが、大きくは4つポイントがあります。「メディアのペルソナを伝える」「メディアのトンマナを伝える」「明確なキーワードと要旨を伝える」というライティングルールに加えて、「ライティングの骨子を提示させる」というルールがあります。

どれも重要なライティングルールではありますが、とりわけ重要なのは「ライティングの骨子を提示させる」ことです。なぜならば、それ以外の3つはこのライティングの骨子を見れば確認ができるからです。ライティングする文章が長くなれば長くなるほど、この骨子は極めて重要な役割を果たします。3,000字や4,000字の文章を書いてから、「実は全然違う内容だった」という話ですと、双方のストレスや負担が非常に大きくなります。よって、必ずライティングの骨子は提出させましょう。

Webライターに作業後に伝えた方がよいライティングのポイント

そもそもですが、Webライターに対してライティングのルールを伝える上で、その校閲作業に向いている方と向いていない方がいます。詳細については、「校閲者必見!Webライティングの校閲と評価について」をお読みいただければと思います。ポイントは論理的で美しい日本語が扱えるかどうかと言えます。そのメディアについての知識が深ければ深いほど良いですが、最低でも論理的で美しい日本語を書ける能力は必要だと言えます。

そのスキルがある前提で、Webライターにはライティング文章の論理性や正しい日本語の使い方をフィードバックしましょう。Webのライティングは紙のライティングと違い、SEOが非常に重要な要素を占めます。よって、タイトルや文中に想定しているSEOキーワードが使われているか否かも大切です。尚、これらの作業を行う前に、まずはツールなどを用いて、そもそもWebライターが他社サイトの文章をそのままコピーしていないかをチェックしましょう。

Webライティングに成功しているメディア事例:GameWith

Gamewithとは

Gamewith

ゲームアプリの総合情報メディアとして2013年9月にリリースされたメディアです。スマホゲームに特化した攻略情報メディアであり、記事やQ&Aでゲームの攻略情報を提供しています。リリースからわずか約1年半で月間6億PVという偉業を成し遂げています。

Webライターへのこだわり

Gamewithがこだわったのは、上述の「メディア単位で守るべきWebライティングルール」で言うと、「ライターのレベルを揃える」になります。このライターのレベルを徹底的にこだわり、自社メディアのブランディングイメージが高まるように注力しました。

例えば、クラウドソーシングは立ち上げ期のみで完全に中止し、質の高い記事を書けるライターを社内で育成するようにしました。育成だけに限らず、Webライターの採用についてもこだわりをもって採用をしています。具体的には、ゲームが好きで、ゲームに詳しい人だけを厳選して採用してライティングを任せています。そうすることで、「メディアのペルソナを伝える」「メディアのトンマナを伝える」「明確なキーワードと要旨を伝える」というライティングルールが容易に守られることにつながっています。

この結果、徹底的にユーザー目線でライティングが行われるようになり、他社の追随を許さないクオリティのコンテンツになっていったようです。その結果が、リリースからわずか約1年半で月間6億PVという偉業を成し遂げました。

おわりに

Gamewithの事例はWebライティングのルールを考える上で非常に参考になった例だと思います。Webライター個々人に守ってほしいルールはありますが、その上のメディアという単位でそもそもルールを設定し、メディアコンセプトに合ったWebライターの採用が、その下の概念であるWebライティングのルールを守らせることを容易にしています。自社のメディアがいまどの単位でルールを設定しようとしているのか、改めて考え直してみましょう。