中小企業が参考にしたい、Webマーケティングの成功事例!

「Webマーケティングの成功事例を知りたい」と思って探してみると、大企業の事例だった…という経験はありませんか?参考になるところはもちろんあるのですが、大規模なWebマーケティング戦略を組んでいたり、大きな予算を使っていたりと「うちではちょっとマネしづらいかも」と思うこともあります。

そこで今回は、中小企業でも具体的な施策が参考になる事例として「土屋鞄製作所「ガシーレンカージャパン」「Yahoo!パートナー」という3つのケースをピックアップ。自社のWebマーケティングに活用できそうなポイントをご紹介します。

SNSを活用したWebマーケティングでファンを獲得!土屋鞄製作所

FacebookやInstagramを使ったWebマーケティングでファンを獲得した事例として、よく話題にあがるのが土屋鞄製作所です。

鞄やランドセルなどの革製品を製造販売する土屋鞄製作所。現在国内では11店舗と大規模に展開しているわけではありません。(ちなみに横浜にも日本大通り駅近くに店舗があります)ただ、土屋鞄製作所では積極的にWebマーケティングを行っており、特にFacebookでは約30万もの「いいね!」を集めています。

土屋鞄製作所Facebookページ

投稿を見ると、まず写真のクオリティがとても高いことに気づきます。FacebookだけではなくInstagramや自社のホームページなどの写真・デザインも統一感があるのも、見ていて気持ちいいですね。

また、季節感を意識した投稿が多いのも特徴。製品や店舗とは直接関係ない、植物や自然などの美しい画像を時々アップしています。こういった投稿と季節ごとの製品情報(クリスマスやバレンタインのギフト紹介など)を織り交ぜることで、ユーザーに違和感なく製品情報やキャンペーンを見てもらうことに成功していると思われます。

通常このようなメイドインジャパンの革製品を扱う企業の場合、とにかく自社のこだわりを前面に出すことを考えがちです。土屋鞄製作所ではこだわりをアピールしつつも、ユーザー目線で考えて情報発信しています。

例えば、2016年のクリスマスに実施したInstagram投稿キャンペーン。投稿者の中から抽選で「職人が特別に仕立てた革製オーナメント」をプレゼントする企画で、賞品であるオーナメントを職人が作る工程もブログで紹介しています。

ユーザーが関心を持つきっかけを作り、ユーザー側にもプレゼントというメリットを付けた上で、職人やものづくりの紹介につなげています。これは非常によく考えられたWebマーケティングの事例ではないでしょうか。

SEOのためにオウンドメディアを活用した、Webマーケティング事例「ニキペディア」

自社メディア(オウンドメディア)を使って見込み客を獲得するコンテンツマーケティング。この成功事例としてよく取り上げられているのが、ニキビ向けスキンケア商品「プロアクティブ」を扱うガシーレンカージャパン株式会社です。

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ニキビケアに特化したサイト「ニキペディア」を2014年2月に立ち上げ、SEOなどに力を入れて集客に成功。さらにこの自社メディアから試供品の申し込みや商品購入につなげています。

ニキビに関する記事とあわせて自社商品の紹介に注力するのが普通ですが、このサイトの記事では、自社商品だけではなく他社商品も紹介されています。ユーザー目線を意識して、信頼できるメディアを目指していることがわかります。(バナーなどで自社製品の告知をしています)結果的にはこうした施策が、売り上げアップにつながっているそうです。

SEOでもユーザー目線を意識しているのが特徴です。例えばニキビの原因を説明する記事には、原因だけではなくユーザーが知りたい「改善する方法」もあわせて掲載。悩みを持って検索したユーザーの気持ちを考えて設計されています。

なお、スキンケアに関する記事なので、情報の信頼性も気になるところ。以前、医療系キュレーションメディアで情報の信頼性に関する問題が大きなニュースになったのをご存知の方も多いと思います。「ニキペディア」では、執筆者と別に監修者として医師の名前を記載しており、記事の信頼性に配慮しています。

他にも「ドクターズアドバイスブック」というデジタルブックを無料プレゼントしているのも、見込み客を集めるだけではなく信頼性を高める工夫ではないでしょうか。

なお、以下の記事では「ニキペディア」を含め、コンテンツマーケティングの事例が4つ紹介されていますので、合わせてご覧ください。

今からコンテンツマーケティングを始めるなら知っておくべき4つの事例

コンバージョン率を上げるためにランディングページを改善した事例「Yahoo!パートナー」

以前の記事「ストーリー性が命!効果の高いランディングページを作るコツ」でもご紹介しましたが、ランディングページの改善もWebマーケティングの重要な施策の一つです。

Yahoo!のサービスの一つ「Yahoo!パートナー」の事例では、もともとあったランディングページを見直し、コンバージョン数のアップにつなげることに成功しました。

ファーストビューはもちろん、ページの下部まで全体的にガラッとデザインを変更した結果、無料会員の登録率が11%改善されました。

・・・中略・・・

結果的に、全く別の場所にあった「体験談」をLPに持ってきた上で、無料会員のメリットを3つに整理した案が最も改善率が高い結果になりました。

出典:Kaizen Platform オフィシャルブログ「ランディングページの大幅な改善は「ストーリーライン」がカギ |Yahoo!パートナー事例記事

ランディングページでは、ついアピールしたい点をできるだけ盛り込んでしまいがちです。ところがこの事例では、反対に目的を「無料登録」に絞り、サービスのメリットも3つに絞って掲載したところがポイント。よりユーザーにとってわかりやすくなり、コンバージョンにつながったと考えられます。

Yahoo!パートナーの事例のように、A/Bテスト(2種類のデザインの違うページを準備し、効果を比較する手法)を実施するのは準備も必要な上、コストがかかります。まずユーザー目線でストーリーを考え直すという点については、すぐにでも取り入れられるのではないでしょうか。

まとめ

Webマーケティングの事例を3つご紹介しましたが、いずれも共通しているのは「ユーザー目線」で考える点。そのため、こうした成功事例をもとに自社のWebマーケティングを考える上では、まず自社のユーザーにどんな体験をしてほしいか?(UX)、どんなユーザーがターゲットなのか?(ペルソナ設定)、といったところを知っておく必要があります。

UX(ユーザー体験)やペルソナ設定については、以前の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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