4事例に学ぶ「地域メディア」の作り方!成功する3つの秘訣
新型コロナウイルス感染症の影響が広がる今(2020年5月現在)、地域の最新情報を発信したり、地元のショップや企業を応援したりする地域メディアが増えてきました。今こそ地域密着の情報を発信できる地域メディアの重要性が高まっているのかもしれないですね。
これから地域メディアを立ち上げて、地元の活性化につなげたい!と考えている方も多いのではないでしょうか?ただ「地域を限定するとターゲットが少なすぎるのでは?」「地域メディアとして収入につなげる方法がわからない」など、地域メディアの作り方で気になる点も多いと思います。
そこで横浜エリアで展開している地域メディアの4事例をもとに、地域メディアの作り方について探ってみます!
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地域メディアの作り方事例(1)起業情報を発信!「スタートアップポートヨコハマ」
「スタートアップポートヨコハマ」は、横浜で起業したい人や起業した直後の人向けの情報を集めた地域メディアです。現在は新型コロナウイルスの影響によって、特に中小企業が大きな危機に直面している状況。「スタートアップポートヨコハマ」でも中小企業に向けて助成金情報やテレワークの導入相談など、さまざまなサポート情報を発信しています。
起業をテーマにしたメディアは他にもたくさんありますが、地域を絞ることで具体的な情報をスピーディーに発信できているというわけです。ここは地域メディアならではの強み。
実はこの「スタートアップポートヨコハマ」、経営コンサルティングを行っている企業が、横浜市から受託されて運営している地域メディアなんです。つまり自治体からの運営費用が収入になっているとも言えます。テーマに対する専門性と地元のネットワークがあれば、自治体などと連携して運営費用を得ることができるわけです。
当然ながら自治体から費用を得るのは大変ですが、こうした地域メディアの作り方もあることは知っておいて損はないと思います!
地域メディアの作り方事例(2)クラウドファンディング情報を発信!「FAAVO横浜」
「FAAVO横浜」は、横浜エリアのクラウドファンディング情報を掲載している地域メディア。実際にここから寄付をすることも可能です。
ターゲットはやはり横浜に住む方がメインですが、横浜出身で他のエリアに住んでいる人など地域を応援したい人たちを幅広くターゲットにしています。
大手のクラウドファンディングサイトもいろいろありますが、「FAAVO横浜」は地域に特化しているので、地域活動など小規模のクラウドファンディングが多いという特徴があります。
収入面では、クラウドファンディングの手数料収入がメインではないでしょうか。ちなみに「FAAVO横浜」を運営しているNPOは、起業家育成やコワーキングスペース運営といった事業も手掛けています。こうした事業はクラウドファンディングと親和性が高いですよね。地域メディア単独の収入は多くないけれど、他の事業にプラスになっているというメリットもありそうです。
地域メディアの作り方事例(3)ご近所情報を発信!「森ノオト」
「森ノオト」は横浜市の青葉区に特化した地域メディア。ターゲットは青葉区に最近増えている子育て中のファミリー層だと思われます。掲載されているコンテンツも、子育てファミリーに向けた地元の活動に関するものがメインとなっています。
横浜の中でも特に青葉区とエリアを絞っているため、ご近所情報を扱っているという印象を受けます。一般的な地域メディアが扱わないような小さな活動まで目を向けているところが、地元の人に支持されている理由ではないでしょうか。
ただ地域を絞りすぎると、PVが少なくなり広告などの収入が見込めないのでは?という懸念もあります。「森ノオト」の場合は地域メディアの運営だけではなく、イベント事業も手掛けているんですよね。地元での物販や交流イベントのほか、メディア運営のノウハウを生かした講座なども開催。新型コロナウイルス感染症の影響でここ最近イベントは開催されていませんが、もともとはこうしたイベントによる収入を見込んでいたんじゃないでしょうか。他にもオンラインショップも展開しています。
「森ノオト」では、地域の方々から寄付を募るという取り組みも行っています。地元の作家やショップオーナーなどからの寄付を募ることで、活動資金に充てているということでしょう。寄付を通じて地元の人たちとつながりを持つことで、地元で取材がしやすくなるといったメリットもありそうです。
地域メディアの作り方事例(4)グルメや観光情報を発信!「ハマニア」
これまで紹介した3つは、いずれもわりと長い期間運営している地域メディアです。こうした老舗地域メディアだけではなくて、最近は新しい地域メディアも増えてきています!例えば横浜エリアでいうと、グルメや観光などの情報を広くカバーしている「ハマニア」という地域メディアが2019年末にローンチしたそうです。
「ハマニア」の雰囲気からすると、主なターゲットは20~30代の女性といったところでしょうか。こうしたグルメや観光といったテーマになると、どうしても食べログやYokohama Walkerのような大手メディアが強いので、地域メディアとしてどう違いを出すかがポイントになってきます。
「ハマニア」の場合、ショップスタッフの写真やインタビューをメインにしたコンテンツが多く、より人物にフォーカスしたコンテンツで差別化を図っているようです。
また新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、横浜のテイクアウト情報などタイムリーな地元情報を発信しているのも特徴です。こうしたスピード感も地域メディアならではという感じがします。
ただローンチして間もない地域メディアでは、どう収入を得るかという課題があります。「ハマニア」もおそらく今後検討するという状況ではないかなと思いますが、人物にフォーカスしたコンテンツが多いので、ショップスタッフの募集広告を掲載して収入につなげるプランもあるかもしれません(※これは個人の勝手な想像です)。
地域メディアの作り方で外せない3つのポイント
4つの地域メディア事例を見ていくと、地域メディアの作り方として重要なポイントが3つあることがわかります。
(1)ターゲットと目的を明確にする
地域メディアと言うと地域に関する情報を網羅したくなりますが、実際に読み手の立場になるとよりターゲットや目的が絞られている方が自分にピッタリ、と感じてもらえますよね。
今回紹介した4事例はいずれも地域だけではなく「ターゲット」と「目的」がすごくはっきりしています。そのためコンテンツの方向性もぶれませんし、新型コロナウイルスのような大きな状況の変化に直面しても、対応できるというわけです。
(2)全国をカバーする大手メディアとの差別化を図る
地域メディアの事例では、「大手メディアとの差別化を図っている」という姿勢がうかがえます。
やはり大手と同じことをしていても勝てません!地域ならではの強みを生かして、他のメディアに出ていないニッチな情報を載せたり、地元の人と他の地域の人をマッチングさせたり…大手と差別化を図る必要があるわけです。地域メディアの作り方において、コンセプト作りに必須のポイントだと思います。
(3)地域メディアとしての収入源を持つ(目指す)
地域メディアを続けていくには、やはり収益性も重要になってきます。ただ地域を絞るとどうしても読者の母数は少なくなってきますので、広告収入は厳しいという一面もあります。
今回紹介した地域メディア事例では、広告以外の収入源を持っている(もしくはこれから持とうとしている)ところが多いようです。ここも地域メディアの作り方として、ぜひ参考にしたいポイントです!