インバウンド向けWebサイトを作るときの注意点<中国語サイト編>

2020年に東京オリンピックが開催されるにあたって、海外向けのインバウンド対策を検討、あるいは注力していきたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

その中でも、中国は検閲機関が海外のサイトをブロックしていたり、独自の検索エンジンを使用する必要があったりします。サイト制作をする際には、特に注意が必要です。

そこで今回は中国向けのサイトやランディングページを制作する際の注意点についてご紹介していきたいと思います。

注意点その1:GoogleおよびGoogle関連の閲覧・使用が不可

中国ではGoogle(グーグル)を介して表示するサイトの閲覧やGoogle関連のツールの使用ができないため、代わりに「Baidu(百度/バイドゥ)」という検索エンジンを使用します。
中国では、BaiduがGoogleのような立ち位置です。

普段使いなれているGoogle関連のものが一気に規制されるとなると、注意したい点もたくさんありそうですね。
具体的にどんなものが該当するのか、例を挙げてご説明します。

(1)jQuery(CDN)→サーバ設置

Google関連がすべてアウトなので、もちろんGoogle CDN jQueryも使用できません。
中国向けサイトでjQueryを使用したい場合は、Google以外のCDNを使用するか、サーバ上に直接アップすれば無事表示できます。

(2)GoogleWebFont

こちらもjQuery同様、Google自体が中国でブロックされているので表示できません。
どうしても使いたい、という場合はローカルにファイルを置き、そこから読み込む方法で打開しましょう。

(3)GoogleMap→BaiduMap

中国ではGoogleMapの代わりにBaiduMapを使用します。
サイトへの埋め込みは<ifream>かAPIを使う方法がありますが、APIを使用する際には中国の電話番号が必要です。

(4)Google広告→Baidu広告

中国ユーザーに向けたリスティング広告を打ち出したい場合、Google広告ではなくBaidu広告を使用します。
Googleの管理画面上では中国を広告のターゲットとして選択できるようですが、実際にはほとんど配信されないようなのでお気を付けください。

注意点その2:SNSやメッセージツールの使用が制限されている

私たちが普段使用しているSNSやメッセージツールについても、中国の検閲機関からブロックされている関係上使用できなくなっています。
(正確にいうと、中国本土では一切使用ができませんが、香港や台湾では使用できるようです)
私たちが普段から慣れ親しんでいるFacebookやInstagram、Twitter、LINEなどが中国で使用できないとなると、中国ではどんなSNSやメッセージツールが主流なのか気になるところです。
名前を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、中国のSNSで有名なものとしては「Weibo(ウェイボー)」が挙げられますね。

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中国ではこのほか、メッセージアプリですと「WeChat」や「QQ」、中国版Instagramと呼ばれる「美图秀秀(Meitu XiuXiu)」などが利用されています。

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注意点その3:簡体字中国語と繁体字中国語の使い分け

簡体字中国語は中国本土やシンガポールを中心に、繁体字中国語は香港・台湾・マカオなどを中心に使用されています。

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インバウンドに向けてWebサイトやランディングページを制作する際に、ターゲットユーザーに合わせて使用する中国語を選択する必要があります。

また、日本で使用する漢字と似ていても中国で使用する際は意味が大きく異なることがあるのでそちらも気を付けたいところ。

使用するフォントなどにも関わってくる注意点ですね。

注意点その4:サイト開設にはICP(Internet Content Provider)の登録が必要

日本国内のサーバーを介した中国向けのサイトを、中国で表示できるかどうか?結果から言えば、表示はできます。

中国の検索サイトを使用してサイトへアクセスすれば表示するにはできますが、国外のサーバーを介しているため表示速度が遅くなる、中国国内サーバーを介したWebサイトのほうが有利になる等の懸念点が出てきます。

その対策として、中国国内のサーバーを介したサイトを開設したいなあと思った際の注意点が、このICP(Internet Content Provider)です。

このICP、中国では必ず申請が必要です。なぜかというと、中国国内のサーバーから発信されるWebサイトはすべて政府が管理しているため、国への登録・申請が義務づけられているからなんですね。

ICP登録の申請が完了しないままWebサイトの開設はできない上、申請せずに公開してしまった場合はサイトを閉鎖されてしまう危険もあるとのこと。

せっかく作ったサイトを公開できなくなっては元も子もありませんので、忘れずに申請しましょう。

*ICPライセンスの申請を行うには、「中国国内で登記している法人企業であること」「中国国内にサーバーを持っていること」が必要条件です。

制作した中国向けWebサイトを簡易チェックする方法

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https://lxr.co.jp/sc/

最後に、「実際に作ったサイトが中国でちゃんと表示されてるかどうか」気になった際に役立つサイトをご紹介します。

こちらのサイトでは、制作した中国向けWebサイトが中国国内で正しく表示されているか、また致命的なエラーが発生していないかという簡単なチェックを行うことができます。
ただし、Webサイトの表示チェックまではできないことと、無料でチェックできるのは1日1回までとなっているためご注意ください。

まとめ

今回のブログ内容のポイントをおさらいします。

・中国国内では、GoogleおよびGoogleに関連するものは閲覧・使用できない

・FacebookやInstagram、Twitter、LINEなどのSNSおよびメッセージツールの使用ができない

・ターゲットユーザーによって簡体字中国語と繁体字中国語どちらを使用するかを考える必要がある

・中国国内のサーバーを介したWebサイトを開設する際には国への申請が必須となる

 

中国向けのWebサイト等を制作する際は、以上の点に注意していく必要があります。

今後のインバウンド対策の参考になれば幸いです。