編集者が教えるWebライターの文章力を向上させるポイント8選

編集者が教えるWebライターの文章力を向上させるポイント8選

Webライターの文章力を向上させるためには、ライティングを依頼する際に、予めWebライターへいくつかのルールを伝えることで文章力を向上させることができます。例えば、「メディアのペルソナを伝える」や「明確なSEOキーワードを伝える」など。また、ライティング文章のチェック体制を強化することで、Webライターの文章力を向上させることもできます。この事前と事後のポイントをおさえることで、Webライターの文章力を向上させていきましょう。

Webライターへ事前に伝えることで文章力を向上させる

メディアのペルソナを伝える

メディアのブランドイメージはペルソナに集約されていると言っても良いでしょう。ペルソナを明確にWebライターに伝えるからこそ、読み手となるターゲットユーザーの知識レベルや志向性がリアルにイメージできるのであって、これが分からないとWebライター毎にライティングのレベル感がバラバラになってしまいます。結果として、メディア全体の完成度が低くなり、継続的なユーザーの訪問を妨げる要因となります。よって、メディアを運営するにあたりペルソナは徹底的に作り込み、そして全てのWebライターに事前に共有しておきましょう。

ペルソナについては、「マーケティング戦略の要!ペルソナの基本と設定方法」で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。

メディアのトンマナを伝える

「です」「ます」調でライティングをする、語り口調ではなく論文口調でライティングをする、余計な改行は設けないなど、Webライターがライティングをする上での注意点を伝えてあげましょう。このメディアのトンマナについては、チェックリストなどを作ってWebライターに共有することで、Webライターの文章力を向上させることができます。ライティングの初心者であれば、もう少し具体的に踏み込んでチェックリストを作ることをお勧めします。例えばですが、「語尾で何度も同じ言葉を繰り返さない(例)〜ということです。・・・〜ということです。」「稚拙な言葉を使わない(例)〜っぽいです。」「接続詞を繰り返さない(例)しかし、〜です。しかしですが、〜とも言えるでしょう」。一度細かくリストを作ってしまえば、他のWebライターにも共有できるので便利です。

明確なSEOキーワードを伝える

Webライティングが紙のライティングと違うところは、前提としてSEOキーワードを意識してライティングをしないといけないことです。具体的には、タイトルにSEOキーワードを含めたり、サブタイトルや文中でSEOキーワードを含める必要があります。ライティングの巧拙という問題の中に、SEOを意識したライティングも含まれます。ただし、これを事前に伝えずに完璧なライティングをWebライターに期待するのは非効率なので、必ず事前に明確なSEOキーワードを伝えましょう。その際、Webライターに一任するのではなく、必ずメディアを運営する側がSEOキーワードを指定するようにしましょう。

ライティングの骨子を提出してもらう

Webライターの文章力を向上させるポイントにおいて、このライティングの骨子を提出してもらうのは非常に大きな効果があります。上述の3点「メディアのペルソナを伝える」「メディアのトンマナを伝える」「明確なSEOキーワードを伝える」も、この事前の骨子を読むことできちんと守られているか否かがある程度分かります。400字や500字の短文であれば別ですが、数千字のライティングを依頼する場合は予めライティングの骨子を提出してもらいましょう。1つの目安ですが、1,000字程度のライティングであれば200字程度。5,000字程度のライティングであれば1,000字程度の要約文で良いと思います。

チェック体制を強化してWebライターの文章力を向上させる

重複チェックをかける

これは機械的に行うことをお勧めします。Web上にはプログラムを利用して、Webライターが書いたライティング文章と他社サイトとの重複率を確認するサービスが多数あります。その内の1社を利用して重複チェックは必ず事前に確かめしょう。なぜならば、Webライターが提出してきた文章が他社を盗用した文章であった場合、Googleからの評価を下げてしまうからです。それだけに留まらず、他社から訴えられてしまうこともあります。最近では某著名メディアがサイト全体を閉鎖に追い込まれる事態になったのも、このチェック体制が甘かったからだと言わざるを得ません。

Webライターが書いた文章を必ず読む

メディア内で依頼しているライティングの数が多くなると、社内のリソースの状況から文章の確認を怠るケースもあると思います。「ちょっとぐらい大丈夫だろう」「このWebライターは日頃やり取りがあって信頼しているから、もう文章の確認をしなくても良いだろう」など。一度手を抜いてしまうと、気付くと確認のハードルが更に下がってしまいます。専任が難しければ、兼任で確認をする人数を増やしてでも、Webライターがライティングした文章は必ず確認をしましょう。

専門家のチェックを入れる

日本語としておかしくない、サイトのブランドイメージを保っているということが分かったら、最後に専門家のチェックを入れます。特に、医療、法律、美容系のテーマの場合、内容によってはユーザーに不利益を与えてしまう可能性があるので、必ず事前に専門家に内容の整合性を取ってもらいましょう。上述の某大手のメディアサイトは、Webライターのクオリティチェックを怠ったことに加えて、情報の正確性がユーザーの健康や生活に著しい影響を与える分野だったことが、閉鎖まで追い込まれてしまった大きな要因の1つだったと言えます。

フィードバックを行う

Webライターの文章力を向上させる上で、上記の「重複チェック」「論理や日本語の巧拙」「専門家のチェック」がどうであったかを具体的に、適宜フィードバックを行う必要があります。なぜなら、フィードバックが行われない限り、Webライターは自分が書いた文章は正しかったと理解して、また同じミスを繰り返す可能性が高いからです。逆に、このフィードバックを毎回丁寧に行っていけば、自然とWebライターの文章力を高まっていきます。

Webライターの文章の添削例

参考として、「本当の見込み層に読まれるライティング方法とは」で行った添削例を見てみましょう。

添削【前】の文章例①

そもそもですが、潜在層に読んで欲しいライティングコンテンツが届いていなければ、当然読まれることもないので、SEOを強化して自然検索によって自社のコンテンツを見つけてもらうか、コンテンツを各種広告によって潜在層にちゃんと届ける必要があります。

添削【後】の文章例①

そもそもですが、見込み層に読んで欲しいライティングコンテンツが届いていなければ、当然読まれることもありません。SEOを強化して自然検索によって自社のコンテンツを見つけてもらうか、コンテンツを各種広告によって見込み層に届ける必要があります。

添削のポイント

  • キーワードの1つである「見込み層」が「潜在層」になっていた。
  • 1文が長くて読みづらいため、「当然読まれることもありません。」で区切った。
  • 「ちゃんと」という口語が使われていた。

もう1例、「ライティングを外注したい!良いWEBライターと出会うためのポイント9選」で行った添削例をご紹介します。

添削【前】の文章例②

Facebookにはライターや編集者のグループがたくさんあります。また、Facebookはプロフィールも公開されているユーザーが多いので、自社にとって適したライターを見つけやすいと言えます。また、TwitterなどのSNSでも検索機能を上手く使えば、ライターを探すことは可能です。

添削【後】の文章例②

FacebookにはWebライターや編集者のグループが複数あります。もともとFacebookはプロフィールも公開されているユーザーが多いので、自社にとって適したWebライターを見つけやすいと言えます。また、TwitterなどのSNSでも検索機能を上手く使えば、Webライターを探すことは可能です。

添削のポイント

  • キーワードの1つである「Webライター」が「ライター」になっていた。
  • 接続詞の「また」を繰り返していた。
  • 「たくさん」という言葉から、「複数」という言葉に変えた。

おわりに

以上のように、外注の前後でチェック機能を働かせることで、Webライターの文章力を向上させることができます。ただし、当然ながら、できるだけ優秀なWebライターに依頼した方が上記の作業負担を減らすことができます。ライティングクオリティが低いと、何度も何度もWebライターとコミュニケーションを取ることになってしまうためです。良いWebライターの採用については、「ライティングを外注したい!良いwebライターと出会うためのポイント9選」をご参照下さい。