失敗事例に学ぶ、アクセス解析を改善につなげるコツ

アクセス解析をそれなりにやっているのに、なかなか思ったような結果が出ない…というお話を聞く機会もよくあります。「結局どのデータを見ればいいのかわからない」「自分のやっているアクセス解析の手法が正しいのかわからない」と感じている方、結構多いみたいですね。

こんなとき、まずは一般的な失敗事例をチェックすると客どこに課題があるか把握できるのではないでしょうか?そこでよくあるアクセス解析の失敗事例を5つのパターンに分類して、パターンごとに解決策をまとめました!

失敗事例①関係者で情報共有ができていない

アクセス解析をするとき「どんなコンテンツを更新したか」「対象期間にどんな広告を出したか」といったことを事前に確認する方がほとんどだと思います。とはいえ実際にはこうした情報が不十分なままアクセス解析してしまうこともわりとあります。

よくあるのは、アクセス解析を担当している方が自分の部署については動向をつかんでいるものの、営業やサポート、広報といった他部署の動きを追えていないというケース。他にもアクセス解析を外部業者に委託しているとき、更新情報やプロモーション情報がうまく伝わっていないなんてこともあるようです。

うまく情報共有ができていないと、アクセス数が増えたり減ったりしたとき、その要因がつかみにくくなりますよね。アクセス解析結果が役に立たないものになってしまいます。これは残念ながら、失敗事例と言えるでしょう。

いきなりアクセス解析をするのではなく、事前に下調べをすること!

アクセス解析というと、とりあえずGoogleアナリティクスでデータを見て検証するという流れが一般的です。でも実際にはその前に、必要な情報をおさえるための準備が必要です!

関係各所にどんなプロモーションを行ったか、まずは確認しましょう。例えば営業部門が展示会に出展していたかもしれませんし、広報部門がプレスリリースを出していたかもしれません。他にも製品やサービスに不具合があったため、サポート部門に問い合わせが集中していたなんてこともあります。

一方、Webサイト運営側としてやっておきたいのが、サイトの更新履歴を普段からまとめておくということ。筆者の経験上、更新履歴がしっかりしているとアクセス解析はかなりやりやすくなります。

失敗事例②何年も同じフォーマットでアクセス解析をまとめている

長期間運営しているWebサイトの場合、いったん決めたフォーマットを使って定期的にアクセス解析しているという方がほとんどだと思います。これはこれで正しいのですが、同じフォーマットを使い続けているなら、見直しも検討しましょう。

例えばGoogleアナリティクスを使ってアクセス解析をしている場合。Googleアナリティクスは頻繁にアップデートが行われていて、新機能も増えています。こうしたツールの動向にあわせてフォーマットの内容を見直す必要があります。できれば1年に1回は見直すところがないか検討したいところ。

またユーザーの行動も変化しています。例えばBtoBのサイトでは、かつてPCからのアクセスが大半でした。そのためモバイルからのアクセスを意識せずPCからのアクセスをメインに解析していたということもあります。でも現在では、BtoBサイトでもスマートフォンやタブレット経由でのアクセスの方が多いなんてケースもあります。こうした変化にも対応していく必要があるでしょう。

とはいえアクセス解析を社内で行っていると、見直しはなかなか難しいかもしれません。「そもそも見直している時間がない」「どこを変えればいいかよくわからない」ということもありますよね。こんなときは外部業者にアクセス解析を依頼してみるのもひとつの方法です。Googleアナリティクスのアップデートをはじめアクセス解析のトレンドも把握しているので、フォーマットの無駄なところや足りないところなどをチェックしてくれるはずです。

失敗事例③仮説がないままアクセス解析をしている

仮説がないというのが、実は最もよくある失敗事例かもしれません…。毎月アクセス数などの状況をまとめているだけ、というパターンですね。アクセス解析とは、求めている結果になっているか検証するのが、本来の目的じゃないでしょうか?そもそも「こういう結果になってほしい」という仮説がないと、何を検証していいかわからなくなってしまいます。

「仮説」という単語になると専門的で難しいような感じもしますが、「ユーザーにはこういうルートでアクセスしてもらい、最終的にここに到達してほしい」という感じでも十分仮説になっています。こうした仮説があれば、どのあたりをアクセス解析していけばいいか方向性が見えてきます。例えば規模の大きいサイトでも、詳しく解析すべきページを絞り込むことができますよね。また見るべき指標もある程度仮説に基づいて決めることができます。

また、アクセス解析の結果どんなアクションをすればいいかなんていうのも、わりと考えやすくなるはずです。

簡単でも構いませんので、ユーザーにこういう動きをしてほしいというのを図式化してみるのがおすすめです。この仮説をもとに、アクセス解析でどんなデータを見ればいいか検討してみましょう!

失敗事例④前任者からの引継ぎがなく、過去のアクセス解析のやり方がわからない

アクセス解析の担当者が変更になったときの引継ぎがうまくできていない、という失敗事例も実はあるんですよね。例えばGoogleアナリティクスを使ってアクセス解析を行う場合でも、「どんな理由でこの設定にしているのか」「カスタムレポートはどういう用途で残しているのか」「Googleアナリティクス以外のデータを引っ張ってきているのか」といったところは、担当者にしかわかりません。

過去の数字と比較するというのも、アクセス解析では重要な要素になってきます。前の担当者が残した数字の根拠がよくわからないとなると、今後のアクセス解析に支障が出てしまうのではないでしょうか。

引継ぎやアウトソーシングをすることを想定して、担当の方がアクセス解析の手順をまとめておくべきでしょう。これは担当者ご自身がアクセス解析をするとき、必要な手順を踏んでいるかというチェックリストにもなります。

失敗事例⑤いつの間にかアクセス解析をしなくなる

Webサイトを立ち上げたときは定期的にアクセス解析をしていたものの、他の業務が忙しくてつい後回しにしてしまう…なんて経験、ありませんか?特に社内でアクセス解析をしていると、どうしてもアクセス解析をやめてしまうという失敗はありがちです。

でもアクセス解析を定期的にしておかないと現状がわからないのはもちろん、次の施策にもつながりません。Webサイトを活性化させるためには、アクセス解析は必須です! 確実にアクセス解析を行うため、あえて事前に社内外の関係者を集めた報告会をスケジュールに入れておく、なんて方もいらっしゃいますね。

またどうしても手が回らないというときは、アクセス解析業務をアウトソースすることも検討しましょう。ただし「アクセス解析になかなかコストをかけられない」という企業も多いかもしれません。こんなときは制作会社にコンテンツ制作やSEOとあわせて、アクセス解析も発注するという方法もあります。

年間である程度まとまったコンテンツを制作する場合、しれっとアクセス解析の費用もそこに含めてしまうわけです(もちろんこの場合アクセス解析業務ができる制作会社ということが前提になります)。アクセス解析単体で予算をとるよりは、ずっとハードルが下がるはずです。 またアクセス解析を制作会社に依頼すれば、サイトの現状や今後の課題を制作会社が把握してくれるようになります。こうなると制作会社から的確な提案がもらえるようになりますよね。