文字単価だけでは測れない、Webライティングの相場とは

文字単価だけでは測れない、Webライティングの相場とは

クラウドソーシング上では「1文字●円」といった件名での依頼が非常に多く飛び交っています。当然ながら依頼する側もされる側も文字単価は非常に分かりやすい条件なので、それ自体は減ることもないと思います。ただ、実は文字単価だけでは測れない、Webライティングの相場、Webライターの力量というものがあります。

それらはライティングに付随するもの(専門知識や経験年数)と、ライティングには直接関係しないもの(納期を守る、報連相の有無)に分けることができ、それぞれを高いレベルで満たしているライターは非常に貴重な存在です。「ライティングを外注したい!良いwebライターと出会うためのポイント9選」にて良質なWebライターとの出会い方を説明していますが、そういった方と出会ったら長期で良好な関係を築く努力をするようおすすめします。

一般的な文字単価の考え方

一般的な文字単価の考え方

1文字1円未満のライティング

ライティング経験の無い方が主な対象となります。よって、誰でも書けるような一般的なテーマであることが多いのも特徴です。他社の記事を参考に、自分の言葉で書き直すだけ、特に専門知識を求められないようなライティングに多い文字単価帯です。依頼時には「他社サイトの内容を真似るのではなく、自分の言葉で書いて下さい。」と依頼をしても、ライティングする側の時間的制約から、どうしても他サイトと似たような文章になってしまうケースもあるので、必ず校閲をきちんと行いましょう。よって、この文字単価で丁寧にライティングをされる方と出会えたら、比較的早い段階で文字単価を上げることを推奨します。

1文字1円〜3円のライティング

ライティング経験がある方を対象にした案件に多い文字単価です。読み手であるユーザーのリテラシーがある程度高い分野において、コンテンツ文章を提供していく際に必要なライティングの想定文字単価となります。この文字単価でのライティングとなると、単純に日本語として正しく書けているということ以上に、そのライターの専門知識や経験が期待されています。ただし、この文字単価で公募をかけた場合、未熟なライターも含めて多くの方からの応募が想定されるので、予めテストライティングを行うなどのスクリーニングの処理が必要です。

1文字3円〜5円のライティング

医療、法律、美容など更に専門性が高くなる場合は、文字単価が一気に割高になります。当たり前ながら高度な専門知識を有したライターはそもそもマーケットに少ないので(医者は多数いても、医学知識を有したライターとなると稀)、文字単価が高くなる傾向にあります。また、上記のような専門性が極めて高いライティングにおいては、ライティングだけではなく校閲においても専門家の力が必要です。この校閲部分において手を抜いてしまうと、非常に怪しい、危ない内容のコンテンツが自社メディアに掲載されてしまうので、メディアに対する投資と考えてリソースを割いていきましょう。

1文字5円以上のライティング

著名ブロガーやインフルエンサーに対して支払われる報酬イメージです。この世界になると、明確なライティング費用というものも決まっているわけではなく、その個人が与えられる影響と交渉力によって文字単価が変化します。注意点としては、著名人であれば誰でも良いわけではなく、自社の製品・サービスとブランドイメージが重なる方に依頼するのが重要です。

文字単価の幅に影響を与える要因

文字単価の幅に影響を与える要因

専門知識の有無

上述の医療、法律、美容ではありませんが、そのライターが持っている知識が高度になればなるほど、文字単価が上昇する傾向にあります。そういった前提もあり、「●●のライティングが得意です」とクラウドソーシング上でアピールされるライターも少なくありません。実際にライティングを依頼してみると分かるのですが、専門知識が無いライターにその分野でのライティングを依頼すると、どうしても「どこかで見たことがある」という文章を抜け出せません。これをオリジナリティの高い文章に仕上げるには高い日本語力と専門知識が必要で、そういったライターを見つけられたら極力優遇して自社メディアを書き続けてもらえるようにしましょう。

経験年数

長ければ良いというものでもありませんが、やはりライティングの経験年数は1つの評価項目となります。長くライティング業界にいるということは、その方への一定の需要があるということの裏返しになるからです。仮にそこまで高い専門知識を有していなくても、ライティングの経験年数が豊富な方であれば、自ら丁寧に調べてそれを構成し、文章に反映させる力を持っている方が少なくありません。専門知識×経験年数がそれぞれバランスしている方が理想ですが、経験年数は文字単価に反映される1つの指標として有効だと言えます。

作図やイラストの作成

文章だけではなく、パワーポイントやイラストレーターなどのツールを使ってビジュアルも創れる場合は、やはり他者よりも1つ上の評価を得ることができ、文字単価も高くなる傾向にあります。イラストレーターを使いこなせる方で、かつ、ライティングもできる方となるとそもそも、ライティングではなくデザインの方で副業をされると思うので、殆ど数はいないと思います。よって、パワーポイントなどのより簡易的なツールを使って作図ができるようであれば、それで十分文字単価に影響を与えられるようなライティングとなります。

独自インタビューの有無

自らクライアント先に赴いてインタビューを行い、それを文字に起こせるようだとライターとしての完成度が高くなります。これにより、他者には真似がしづらいオリジナルの文章を書けるからです。ライティングをしていると、どうしても世の中にすでにあるコンテンツとある程度似てきてしまいます。それを高度な専門性や自らの経験をもとにオリジナリティを加えることで、他者との差別化を図るわけですが、その中でもインタビューは圧倒的にオリジナリティを作りやすい要素を持っています。事前に下調べを行い、類似の記事のチェックや著作のチェックなど、段取りをしっかりと行えばオリジナリティ溢れるライティングが可能です。

ライティング以外の要因

ライティング以外の要因

締切や約束を守る

文字単価だけでは測れない要因の1つとして、当たり前のことを当たり前にできる力の有無があげられます。ライターだからライティングだけできていればよいという考えの方と、ビジネスパーソンとして基本的なビジネススキルを持っている方とでは、やはり後者の方の方が長くお付き合いしたいと考えるのは当然かと思います。「●日に納品します」と約束をしたら、必ず納期内に納品をすること。また、どうしても納期に間に合わない場合は事前にその旨を伝えて、改めて納期を調整すること。こういった一見ライティングクオリティとは関係なさそうなことが重要な要素になります。

報連相を含むコミュニケーション能力

こちらが意図していることを汲み取ってくれる、分からなければ質問してきてくれるなどの基本的なコミュニケーション能力がある方は、文字単価だけでは測れない価値を提供してくれていると言えます。分からないことを分からないままにライティングをすると、完成したOutputが依頼者の想定と大きくかけ離れてしまうことがあります。そうなると、当然ライティングのやり直しということになり、依頼した側もされた側も、双方共に時間の無駄になってしまいます。こういった細かい報連相ができるライターは、非常に優秀なライターです。

+αの価値の提供

単発のライティングではなかなか難しいところですが、継続のライティングであれば納品しているメディアやライティングの体制そのものについて気付くこともあると思います。そういった気付きを言葉にして丁寧にフィードバックをしてくれるライターには、文字単価以上の価値があると思います。「指示されたことしかやらない」のか、「お金になるかならないかではなく、気付いたから共有する」のかは、受け手の印象が全く異なります。常に改善を目指してライティングをできるような方に巡り会えたら、それは非常に幸運だと言えます

まとめ

文字単価だけでは測れないWebライターの特徴についてご説明させていただきました。冒頭でも述べた通り、良いライターと出会えたら長期で良好な関係を築く努力をするようおすすめします。なぜならば、そもそもそういったライターはマーケットに少数しかいないので、また同じようなレベル感の方を採用しようとすると、非常に手間暇がかかってしまうからです。良質なメディアの運営には、優秀なライターの確保が常に欠かせません。