メールマーケティング効果測定に使う5指標をGoogleアナリティクスで見るには

最近ではメールからLINEやFacebookなどSNSにコミュニケーションがシフトしつつあるため、「メールマーケティングはもう古い?」なんて意見も聞こえてきます。でもBtoBを中心に、やはりメールマーケティングを重視しているところはまだ多いはず。MAツール導入をきっかけにメールマーケティングに力を入れ始めた、なんてところも出てきています。

ただメールマーケティングの目的は変化してきているようです。2019年に行われた調査によれば、BtoB企業でメールマーケティングを行っている企業の7割が「既存顧客との関係性強化」を目的にしているという結果が出ています(※1)。

今どきのメールマーケティングのトレンドは、新規開拓というより既存顧客向けがメインとなっているわけです。実際に展示会などでコンタクトした見込み客に向けて、継続して情報発信するにはやはりメールが最適ではないでしょうか。

既存顧客とのつながりを維持・強化するためにも、メールマーケティングの効果測定は必須です。そこで既存顧客との関係を強化するという視点で、メールマーケティングでおさえておきたい指標についてまとめました。

なおメールマーケティングの効果測定というと、メール配信ツールで数値を見ている方が多いはず。でも実はGoogleアナリティクスでも一部のメールマーケティングの指標を見ることができますので、そのあたりも解説します!

メールマーケティングの指標1:エラー率

メールを一斉配信すると、どうしても送信エラーになるメールが一定数出てきます。これはユーザーが登録するときにアドレスを間違えてしまったり、すでに使われなくなったメールアドレスが配信リストに残っていたりするため。もしくは一時的にメールボックス容量がオーバーしていたケースもたまにあります。

エラー率とは、総配信数のうちエラーで届かなかったメールの割合。まずはこれを把握して、実際にエラーにならずに到達した配信数、つまりリーチできた実数を知っておきましょう。これをやっておかないと開封率やクリック率など他の指標を計算するとき、エラーを含んだ総配信数をベースにしてしまいます。母数にエラーを含めるとどうしても開封率やクリック率は低い数字になってしまうので要注意です。

残念ながらエラーになったかどうかはGoogleアナリティクスではわからないため、メール配信ツールでチェックしていくことになります。なお配信ツールによっては「3回エラーになったら配信対象から自動的に外す」という設定も可能です。

メールマーケティングの指標2:配信停止(オプトアウト)率

メールを受け取ったユーザーのうち、配信停止を申し込んだ割合が配信停止率。一旦配信停止を申し込まれてしまうと、そのユーザーとメールでの接点がなくなってしまいます。そのため既存顧客とのつながりを維持するためには、できるだけこの数字を低くしていくことが重要です。

まずは配信したメールごとの配信停止率を表にして傾向を見ましょう。特定のメールで配信停止率が高ければ、その内容やタイミングに問題がなかったか確認する必要があります。

また配信停止を受け付けるフォームに、配信停止理由の項目を付けるというのも有効な手段です。なぜ配信停止につながったのか?という理由がわかれば、改善につなげやすくなります。

配信停止フォームの設置方法にもよりますが、配信停止率も基本的にGoogleアナリティクス側では見ることができません。

メールマーケティングの指標3:開封率

開封率とはメールを受け取ったユーザーのうち、実際にメールの内容を閲覧した割合。配信数が多くても開封率が低ければ、実際にメールを読んでいるユーザーは少ないということになります。

メールを開くかどうかの時点ではユーザーに内容は見えていません。そのため開封率を左右するのは、件名と差出人、配信日時だけです。メールごとに開封率を調査し、どんな件名や差出人、配信日時が効果的かについて、傾向を見ていきましょう。例えば広告メールと差別化して開封率を上げるため、あえて件名を短くしたり差出人を個人名にしたりするケースもあるようです。

また社内だけではなく、一般的な開封率の平均値と比較してみましょう。メール配信サービスを手掛けるbenchmark社では、業界別メルマガ開封率の平均値を公表していますので、参考にしてみてください。

メルマガ平均開封率レポート【2019年度版】(Benchmark)

開封率を測定するには、HTMLメールに画像を埋め込み、その画像が表示された数を開封数とするやり方が一般的です。Googleアナリティクスの場合、実際に画像をHTMLメールに載せなくてもURL生成ツール「Hit Builder」を利用して開封率を測定するタグを発行できます。これをHTMLメールに組み込むだけで、開封数をGoogleアナリティクス上で見ることが可能になります(※2)。

ただしメール配信後しばらくたってから開封するユーザーもいますので、2~3日もしくは1週間ぐらい経過してから開封率を調べた方が、より実数に近い数値が取れます。

メールマーケティングの指標4:クリック率(CTR)

メールを受け取ったユーザーのうち、メール内のリンクをクリックした割合がクリック率(CTRとも呼ばれます)。当然開封しただけではなく、クリックしてWebサイトに誘導することが重要です。一般的には開封率の約10%が平均的なクリック率と言われていますので、このあたりを意識してみましょう。もしクリック率が低い場合は、HTMLメールの内容やレイアウト、配信対象などの見直しを図るべき。

クリック率はメール単位で見ることもありますが、できればリンクごとにクリック率を算出していくほうが、どのリンクボタンの効果が出ているかわかりやすいでしょう。

Googleアナリティクスでクリック率を見るには、リンクURLにイベントトラッキング用のパラメータを付ければ測定できます。

メールマーケティングの指標5:コンバージョン率

クリック率とあわせて実際にメール経由で資料請求などのコンバージョンにつながったかどうかを見るために、コンバージョン率も見ておきたいところです。

Googleアナリティクスの場合、上記イベントトラッキングのパラメータをつけておけば、「集客>キャンペーン」メニューからコンバージョンに至った数を見ることができます。メールの開封率やクリック率の傾向とコンバージョン率の傾向が違う、ということはよくあります。メールの内容にもよりますが、メールマーケティングにおいても開封率やクリック率だけではなくコンバージョン率まで追いかけるべきでしょう。

既存顧客との接点を強化する目的なら、メールマーケティングにおいてはサービスの資料請求や問合せといったコンバージョンだけではなく、ホワイトペーパーのダウンロードなど継続してコンバージョンしてもらえる施策を考えたいですね。

メール配信ツールとGoogleアナリティクス、両方でメールマーケティングの効果測定をしよう

ほとんどのメール配信ツールでは(1)から(4)は効果測定できますが、(5)のコンバージョン率についてはチェックできないことが多いでしょう(フォームの設置した場所などにもよりますが)。

でもメールマーケティングの効果測定においても、コンバージョン率までチェックしておくとより正確な効果測定につながります。そうなるとGoogleアナリティクスでコンバージョン率もチェックしながら、開封率やクリック率も見るほうが効率的ではないでしょうか。

今までメール配信ツール側だけで効果測定していたという方は、この機会にぜひGoogleアナリティクス側でも効果測定できるように設定してみましょう!

※1出典:共同調査「BtoB企業におけるeメールマーケティングに関する実態調査レポート2020」(株式会社ITコミュニケーションズ)