コンテンツマーケティングの失敗事例に学ぶ運営のコツ7選
コンテンツマーケティングは、いまやマーケティングの代表的な手法になりました。コンテンツマーケティングの一手法であるオウンドメディアも、十分に市民権を得たと言えます。Web集客に取り組むなら、オウンドメディアを立ち上げるケースも一般的になってきたと言えます。
しかし、Webを見渡すととても成功しているとは思えない事例が多く見つかります。いわゆる、失敗事例のことですね。コンテンツマーケティングは確かに効果的な手法なのですが、だからといって取り組めば必ず成果が出るものではありません。成果を上げるためには、そのためのコツをしっかりと押さえて運営していくことが大事です。
本稿では、コンテンツマーケティングのよくある失敗事例についてまとめています。成功事例ではなく、なぜ失敗事例なのでしょうか。実は、失敗事例には成功のための秘訣が詰まっているのです。代表的な失敗事例について見ていきながら、そこから学ぶべき運営のコツを7つご紹介していきましょう。
事例1:目的やゴールを決めていない
失敗の原因
コンテンツマーケティングはマーケターやWeb担当者にとって、非常に身近な存在になってきました。それ自体は良いことなのですが、気軽に実施できるからと何となく始めてしまうケースも多いようです。それでも運良く成果が出ることもあるでしょう。ですが、それはあくまで偶然の産物です。目的やゴールを決めていないと、ほとんどのケースでは失敗に終わると考えてください。
運用のコツ
当然のことですが、ビジネスでは予算や期間などの限られたリソースの中で結果を出していく必要があります。可能な限り、成功確率を上げていかなければいけないのです。そのためにも、コンテンツマーケティングに取り組む目的やゴールを設定しておくようにしましょう。
- 「なぜコンテンツマーケティングに取り組むのか?」(目的、コンセプト)
- 「どれくらいの成果を上げる必要があるのか?」(ゴール)
- 「いつまでに成果を出さなければいけないのか?」(期間)
目的やゴールを設定しておくことで、コンテンツマーケティングの成功確率を格段に上げることができるでしょう。なお、効果測定ができるように具体的な数値を盛り込んだ方がベターです。効果測定については、記事の後半でも解説しています。
事例2:こちらが見て欲しい情報だけを提供している
失敗の原因
コンテンツマーケティングでよくあるのが、こちらが見て欲しい情報だけを提供しているケースです。例えば、売り込みたい商品の特徴やアピールなどのこと。気持ちはわかるのですが、コンテンツマーケティングの原則からすると、これはNGです。
運用のコツ
コンテンツマーケティングは、ユーザーがコンテンツに興味を持たないことには始まりません。ユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供して、コンテンツを通して関係を築いていきます。こちらが見て欲しいコンテンツを押しつけるのでは、ユーザーからの支持も得られず、成果には結びつかないでしょう。
重要なことは、ユーザー視点でコンテンツを提供していくこと。ターゲットを明確に定義したのち、下記のような切り口からコンテンツ方針を立てていくのです。
- 「ユーザーが困っていることは何なのか?」
- 「ユーザーはどんな情報を欲しているのか?」
- 「ユーザーが喜ぶのはどんなコンテンツか?」
「今からコンテンツマーケティングを始めるなら知っておくべき4つの事例」では、コンテンツマーケティングの事例を4つ取り上げています。コンテンツ戦略の参考に、ご覧いただければと思います。
事例3:ターゲットが明確でない
失敗の原因
上で、ターゲットを明確にする必要があると述べました。コンテンツマーケティングに限ったことではないのですが、あらゆるマーケティング手法でターゲットは重要です。ターゲットがあやふやだと、コンテンツがピンぼけしたものになってしまうでしょう。
運用のコツ
ターゲットを明確にする方法はいくつかありますが、ペルソナは欠かせません。ペルソナとは理想的な顧客像のことで、ターゲットをより具体的でピンポイントなものにすることができます。ペルソナについては、「マーケティング戦略の要!ペルソナの基本と設定方法」で詳しくご紹介しています。
またターゲットの行動や感情の変化を分析するためのツールである、カスタマージャーニーマップも役に立ちます。
「カスタマージャーニーマップとは?特徴やメリット、事例の紹介」
ターゲットが明確になっていると、コンテンツの内容も決まりますし、コンテンツの提供の仕方やタッチポイントもはっきりとしてくるでしょう。
事例4:運用体制ができていない
失敗の原因
少しでもコンテンツマーケティングに取り組んだことがあれば、コンテンツを継続して作っていくことの大変さがわかるはず。気軽に始めることができる一方で、その運用は決して楽ではないのです。運用体制をしっかりと固めておかないと、すぐにコンテンツ作成が頓挫してしまうことも。
運用のコツ
コンテンツマーケティングに取り組むのであれば、どんな運用体制にするのかを念入りに決めておくようにしましょう。誰がコンテンツを作るのか、提供したコンテンツの運用保守は誰なのか。コンテンツの効果測定も必要です。
自社内で全てのコンテンツを賄っていくことは、かなりの大企業でないと難しいはずです。コンテンツ制作会社に依頼をするか、クラウドソーシングなどのサービスを利用する手もあります。いずれにしても、運用で発生する業務を洗い出したのち、担当者をしっかりと決めておくようにしましょう。
事例5:効果測定をしていない
失敗の原因
コンテンツマーケティングでは、ゴールを設定することが大切だと述べました。ゴールとしては、例えば売上金額やPV、SNSシェア数などがあげられます。せっかくゴールを設定していても、その効果を見なければコンテンツマーケティングが上手くいっているのかいないのかがわかりません。
運用のコツ
コンテンツマーケティングを運用していく時は、設定したゴールに沿ってその効果を測定していくようにしましょう。売上をゴールにしているのであれば、日次や週次などのタイミングで、適切にセグメントを切って売上を見ていくのです。
最終的なコンバージョンにいたる前の測定も、忘れないようにしてください。サイトへのアクセスやカゴ落ちなどの分析をすることで、後述する「改善が行われていない」の対策にもなります。
事例6:改善が行われていない
失敗の原因
どんなに市場分析やターゲット分析ができていたとしても、結果に結びつかないことはあります。その理由はさまざまなのですが、よくあるのが改善が行われていないことです。改善がないと、ダラダラとコンテンツマーケティングを続けることになりかねません。
運用のコツ
改善をしていくためには効果測定が欠かせません。効果測定をしていないと、PDCAで言うところのC(Check、確認)が抜けていることになるからです。改善をしていくためにも、定期的にKPIを追っていくことを忘れずに。
事例7:初期投資に予算をかけ過ぎてしまった
失敗の原因
コンテンツマーケティングの手法として、ブログなどを代表とするオウンドメディアがありますよね。オウンドメディアを立ち上げるには、そのための初期投資が必要です。サイトの制作費用と言い換えることもできるでしょう。こういった初期投資が膨らんでしまうと、本当に必要なコンテンツ制作に予算がかけられなくなり、サイトがまともに運営できなくなってしまいます。
運用のコツ
コンテンツマーケティングは、中長期的な施策です。上でご紹介したように、PDCAサイクルをまわしながら継続的に改善をしていくことも必要。初期投資だけではなく、ランニングコストも考えておかなければいけないのです。
コンテンツマーケティングに取り組む際は、コンテンツだけでなく、予算の使い方についてもしっかりと決めておく必要があります。後になって身動きが取れなくなることのないよう、長期的な視野に立って予算配分を考えておきましょう。
まとめ
失敗事例から学ぶ、コンテンツマーケティング運用のコツを7つご紹介しました。冒頭で述べたように、失敗事例から学べることは有益です。失敗事例から教訓を学び、コンテンツマーケティングの成功確率を高めていってください。