いきなり「ビッグワードで検索1位を狙う」というSEO対策の問題点

「○○というビックワードでGoogle検索結果の1位を目指します!」というSEOは、明確な目標もありますし、やる気も出ます。「なんでうちは1位じゃないの?」なんて社内から声が上がることもあります。でも、本当に1位になることが目的でしょうか?

ホームページにはターゲットとなるユーザのコンバージョン数を増やすといったような、本来の目標があるはずです。ビッグワードで1位になるためにはコストと手間をかけてSEOを行う必要がありますが、それだけに注力すると本来の目標が達成できなくなることも。そこで今回は、ビッグワードに対するSEOの問題点を整理します。

 

ビッグワードでは、大規模サイトに勝負を挑むケースも

ビッグワードとは、特に検索回数が特に多いキーワードを指します。ビッグワードで検索結果の1位に表示されれば、大幅なアクセス数アップが見込めるかもしれません。とはいえ、ビッグワードの場合コンテンツが豊富な大規模サイトが上位に出る傾向のため、こうした競合と勝負しなければなりません。

極端な例かもしれませんが、「マンション」というキーワードで考えてみます。Googleで検索すると、約2億件のページがヒットするビッグワード。現在検索してみると、検索結果の上位には「HOMES」や「SUUMO」といったサイトのページが表示されます。どちらも運営期間も長く、マンションや不動産に関する情報量が多い大規模サイト。上位に表示されるのも当然と言えます。

仮にこれから新しいサイトを立ち上げて「マンション」というビッグワードで1位を狙うためには、(不正なブラックハットSEOをしないことを前提にしますが)「HOMES」や「SUUMO」のような膨大なコンテンツやシステムを準備する必要があります。その上でプロモーションやSEOといった施策なども行うと、相当なコストと時間がかかることがわかります。

 

ビッグワードでのSEOは、コストパフォーマンスに問題アリ

また、気になるのは「マンション」というビッグワードだけでは、分譲マンションの購入検討中の人も、賃貸マンションのトラブルを調べたい人も含まれてしまうという点です。

実際はマンション購入を検討している人なら、せめて「横浜 中古 マンション」というように、地名や新築or中古といったキーワードを組み合わせて検索するはずです。

ほかにも「投資マンション 売りたい」「賃貸マンション 敷金 相場」といったように、知りたい内容にあわせて具体的なキーワードで検索することが多いでしょう。

様々な情報を網羅した大規模サイトであればともかく、中規模のサイトではビッグワードで1位になったとしても、想定するターゲット以外のユーザからのアクセスが多くなってしまいます。

こうなると、コンバージョン率が落ちることが想像できますよね。結局ビッグワードで1位になるために高い費用をかけてSEOを行ったとしても、コンバージョン率が低ければコストパフォーマンスの面で問題になるケースもあります。この点はビッグワードでSEOを行うときの大きな問題点です。

 

ビッグワードは、スモールワードの積み重ねで勝ち取る

先ほどの「マンション」での例にもありましたが、ビッグワードで上位を狙うのは難易度が高いもの。質の高いコンテンツを大量に設けたり、内部対策をしたりという「正攻法」、つまりホワイトハットSEOでは、短期的に効果が出るものではありません。
しかし、後述するスモールキーワードで上位表示を積み重ねることで、その分野の権威としてGoogleに認められ、ビッグワードでの上位表示も可能になります。

ビッグワード上位表示までのイメージ

01:スモールワードでの上位表示を増やす(例:投資マンション,売りたい/投資マンション,敷金)
02:Googleがその分野の権威としてサイトを評価
03:ビッグワードで上位表示される(例:投資マンション)

かつてはコンテンツよりも被リンクを増やすSEOを駆使して1位を獲得する、という時代もありました。(いわゆる古いSEOですね)現在ではGoogleアルゴリズムのアップデートによって、こうした施策で上位表示を狙うのは難しい状況なので、ブラックハットSEOに手を出さないよう、注意しましょう。

 

スモールワードでロングテールを狙うほうが現実的

前述の通り、企業ホームページや中規模なサイトでSEOの上位表示を目指す場合、ビッグワードで上位をいきなり狙うのではなく、まずはスモールワードを中心にしたSEOで効果を上げていくほうが現実的です。

ただしスモールワードで数個に絞ってしまうのは要注意。確かに上位に表示されるかもしれませんが、今度は検索数自体が少なすぎてコンバージョン数が全然ない…という問題も出てきます。

そこで、関連するスモールワードをできるだけ多く集めて、網羅していくかたちのSEOがおすすめです。このSEO対策では急激なアクセス数アップは見込めませんが、長期的に考えると2つのメリットがあります。

1つめはキーワードの数が多ければ、検索されるキーワードのトレンドが大きく変わっても影響を受けにくい点。また、じわじわとアクセスが続くようなロングテールにつながるキーワードも出やすくなります。

2つめは、具体的なキーワードになるため、ビッグワードと比べて検索ユーザのニーズにマッチしやすい点。結果としてコンバージョンにつながりやすくなります。

 

まとめ

もし社内でビッグワードでのSEOで検索結果の1位にこだわる人がいる場合は、他社の状況、ビッグワードでのSEO費用の見積もり、本来の目的達成は何か、といった視点で検討する方向で進めてみましょう。

ご紹介したスモールワードを網羅したSEOは、サイトのテーマにあうスモールワードの洗い出しや、それぞれのキーワードに合わせたコンテンツを設けることになります。結構社内の手間がかかるのが気がかりな方もいるかもしれません。

いきなり完璧なSEOを目指すのではなく、まずはある程度の状態でリリースして後からコンテンツを追加し蓄積させる方法もあります。スピードにこだわりすぎず、無理なく継続できるSEOを目指しましょう!