ホームページリニューアルに失敗しないためのコンセプトづくり
コンセプトがはっきりしていないままホームページリニューアルを進めると、「うちのホームページは本当にリニューアルが必要?このままでもいいのでは?」という話になってしまう危険もあります。また、コンセプトが関係者で共有できていないと、デザインやコンテンツの検討時に意見がまとまらない!という問題にも発展します。
今回は企業コーポレートサイトをリニューアルする想定で、コンセプトをうまくまとめるための手順をまとめました。コンセプトづくりの進め方を「顧客分析」「自社・競合分析」「役割設定」という3つのステップで解説します。さらにWeb担当者としては絶対外せない「運用のしやすさ」もあわせてチェックしましょう!
Contents
ホームページリニューアルのコンセプトづくり(1)顧客分析
コンセプトづくりで最初に考えたいのが、「顧客分析」です。ホームページを使うユーザーのターゲットやニーズを明確にしていきましょう。
リニューアルでは現状ホームページのアクセス解析をすれば、ユーザー情報をある程度得ることができます。現状のユーザー属性や参照の多いページ、流入元などのアクセス状況を把握することで、ユーザー目線でのコンセプトづくりが進めやすくなります。
あわせて、架空のユーザー像「ペルソナ」も有効です。「ペルソナ」とは、年代や性別など属性だけではなく、架空のユーザーを設定してライフスタイルや行動パターンも想定するというマーケティング手法のひとつです。
参考ページ「Web担当者が知っておきたい、架空の顧客像「ペルソナ」の設計方法」
「ターゲットとなるユーザーは誰か?」「ユーザーのニーズは何か?」を明確にできれば、その後のホームページのデザインやコンテンツ、集客などを考える上での基本になります。
なお、ホームページリニューアルでは「従来アクセスしているユーザーも見捨てない」という点も重要です。画面構成などを変えすぎると、従来のホームページに慣れていたユーザーが違和感を感じて離れてしまうこともあります。
ホームぺージリニューアルのコンセプトづくり(2)自社・競合分析
顧客分析と合わせて、自社分析・競合分析もコンセプトづくりに必要です。
自社分析は、自社ホームページの課題を社内の視点で見つけるというタスクです。まずは現状ホームページのコンテンツマップ(コンテンツを整理した資料)を作成して、情報を整理してみましょう。それから、自社の事業内容やマーケティング・営業活動などとマッチしているか比較してみると、課題が見つかりやすくなります。
- ホームページは企業理念とマッチしている?
- 自社の売上アップにホームページはどう貢献する?
- 自社の強み、アピールすべきポイントで今のホームページに足りないところは?
あわせて競合他社のホームページ分析もコンセプトに影響します。どんなに優れたホームページでも、他社との差別化ができていないとユーザーの関心を集められません。
数社競合となる他社をピックアップしたら、ホームページのコンテンツなどをチェックします。競合調査に役立つツールもありますので、活用すると効率的に調査できます。
参考ページ「競合他社のWebマーケティング施策を分析できるツールとは?」
この時点では、競合のホームページに関する分析にとどめておくことをおすすめします。競合の事業内容やビジネスモデルまで自社と比較し始めると、話が膨らみすぎてしまいます。結果、ホームページリニューアルが頓挫しかねません。
ホームぺージリニューアルのコンセプトづくり(3)ホームページの役割を設定
「顧客分析」と「自社・競合分析」にてホームページの課題を洗い出した後は、ホームページにどんな役割を期待しているかについて、情報を整理しましょう。
- 企業としてホームページを通じてユーザーに伝えたいこととは?
- ターゲットとなるユーザーにどんな行動をしてほしい?
例として、学校法人(大学)のホームページリニューアルという想定で、役割をイメージしてみました。
1) 入学希望の高校生や保護者向けに、ブランドイメージを保持・向上させたい
入学希望者を増やすというよりは、教育理念や方針に賛同する学生を集めたい。
2) 卒業生向けの情報発信をしたい。
卒業生に向けたページは今までなかったためホームページ上で接点を持ち、タイムリーな情報発信をしたい。将来は会報誌発行・郵送のコスト削減につなげたい。
このように、ターゲットごとに役割が異なるケースも多くあります。ただ、あまりに欲張ると、リニューアルの規模が大きくなりすぎることも。膨らみすぎた時は優先度をつけることも必要です。
ホームぺージリニューアルのコンセプトづくり(4)リニューアル後の運用も考える
ホームページリニューアル直後がピークというホームページは、残念ながら「リニューアルは失敗した」とみなされてしまいます。リニューアルした後の運用で、さらに効果をアップさせていくことが求められます。
とはいえ、運用のしやすさを考えられる人はWeb担当者しかいません!コンセプトと大きなずれがないか、以下の項目についてチェックしておきましょう。
- リニューアル後のどうプロモーションしていくか(集客・接客)
- 誰がどのように更新していくか
- 将来ホームページをどう成長させるか
まとめ
コンセプトというと、うまいキャッチコピーを考えて概要をまとめることに注力しがちです。ただ、ホームページリニューアルの場合は「顧客分析」「自社・競合分析」「役割設定」という手順で進めていくことで、情報が整理されて全体テーマが見えてくることも多いです。また、具体的な分析データがあれば、コンセプトを社内外に説明するプレゼン資料作りにも役立ちます。
Web担当者としてはリニューアルしてからの運用も重視したいポイント。ぜひご自身の視点で運用をイメージしつつ、コンセプトづくりにチャレンジしてみてください!