検索意図から考えるSEOにつながるコンテンツの作り方
SEOを意識してコンテンツを作る際に、どのような観点からコンテンツを考えれば良いのでしょうか。その答えは、そもそもなぜユーザーはGoogleなどの検索エンジンを使うのかということを考えると見えてきます。一言で表現するなら、「自分が抱えている何かしらの悩みや問題を解決したいから」と言えるでしょう。ユーザーが行う検索という行為の裏側には、明確な意図があるのです。自社のWEBサイトやWEBサービスのペルソナが抱える具体的な悩みや問題について想像を働かせて、その検索意図を知ることが、SEO対策につながるコンテンツ作りの第一歩になります。
検索意図によって、「取引型」「情報収集型」「案内型」と3つのキーワード群に分類することができます。その分類に従って、「顧客育成を目的としたコンテンツ構成」にするのか、「情報整理を目的としたコンテンツ構成」にするのか、コンテンツ戦略を分けて考えていく必要があります。本稿ではそれらを順番に説明しつつ、最後に関連キーワードの探し方としてGoogle AdSenseのキーワードプランナーの使い方をご案内します。
Contents
検索意図によって分けられるキーワードの種類
情報収集型(インフォメーショナル)
××を解決する方法を知りたい、●●の疑問の答えを得たいなど、情報収集を目的とする意図を含んだ検索キーワードです。具体的なクエリとしては、「確定申告 時期」や「国際結婚 リスク」などです。ユーザーの目的は「知る」ことなので、その答えを理解することでユーザーの満足度は満たされます。
取引型 (トランザクショナル)
●を買いたい、××を請求したい、△△を見たいなど、何らかの行動をしたいという意図を含んだ検索キーワードです。具体的なクエリとしては、「チケット アジア旅行」や「外壁塗装 見積もり」などです。ユーザーの目的は行動のための「意思決定をする」ことなので、その意思決定を後押しされることでユーザーの満足度は満たされます。
案内型 (ナビゲーショナル)
ユーザーが特定のサイトにアクセスしたいときに用いるキーワードです。具体的なクエリとしては、「Twitter」や「Youtube」などです。特定のサイトにアクセスするためのキーワードなので、1語になることが多いのも特徴です。
検索意図によって異なるコンテンツ戦略
顧客育成を目的としたコンテンツ構成
●を買いたい、××を請求したい、△△を見たいなど、何らかの行動を目的とするキーワードで流入したユーザーに対して、いきなり商品やサービスを売り込むのではなく、その関連情報を提供しながらユーザーの興味関心をより高めていくコンテンツの作り方が必要です。自分自身の行動を思い返すとイメージが沸きやすいと思いますが、1つの情報だけで購入に至るケースは少ないと思います。最終的なアクションに至るまでに、その関連情報を集めながら意思を固めていくのが一般的なユーザーの検索行動です。よって、「●●を買いたい」と考えるユーザーの検索ニーズに対して、「●●の使い方」「●●の評判」「●●と××との比較」「●●のメリット」などの意思決定への意欲を支える関連コンテンツを用意する必要があります。それらのコンテンツ間に導線を引きながら、徐々にユーザーの意欲を育てていきましょう。
情報整理を目的としたコンテンツ構成
××を解決する方法を知りたい、●●の疑問の答えを得たいユーザーに対しては、「解決に役に立つ情報」ということを前面に押し出したコンテンツの作り方が重要です。関連情報を提示しながらユーザーの意欲を育てる(コンテンツを掘り下げる)ような上記の方法ではなく、網羅性を重視してコンテンツを広げていくような作り込み方が必要です。後述するKeyword Plannerを使って、とにかく幅広く関連キーワードを調べていきましょう。ただし、雑多にコンテンツを作成してもまとまりがなくなってしまうので、まずはターゲットとするキーワードについて、「What」「Why」「How」についての疑問が解決するようなコンテンツを幅広く揃えることに専念して下さい。
Keyword Plannerを使った関連キーワードの探し方
キーワード選定については、「効果が出ないと泣かないためのSEOキーワード選定基礎」、また各種ツールについては「コンテンツSEOに役立つツール11選。キーワード選定から品質チェックまで!」で詳しく解説しているので、今回はGoogle AdWordsのKeyword Plannerの画面を見ながら、実際にどのようなステップでキーワードを探していくのかを簡単にご紹介していきます。
キーワードプランナーの3つの選択肢
検索ボリュームと傾向を取得
こちらは入力した検索キーワードの検索ボリュームを知るのに有効なツールです。逆に言えば、キーワードを拡張する目的には不向きです。
キーワードのリストを組み合わせて新しいキーワード候補を取得
このオプションは既存である程度キーワードグループを抱えている場合に有効です。既存のキーワード同士を掛け合わせて、キーワード候補と検索ボリュームを探します。こちらも新しいキーワードを探す目的では不向きですが、既存キーワードの掛け合わせの状況を知るのには便利なツールです。
フレーズ、ウェブサイト、カテゴリを使用して新しいキーワードを検索
具体的なキーワードが決まっていない場合に有効なツールです。単語を1つ入力するだけで、その単語に関連するキーワードを提示してくれます。その際、オプションで「入力した語句を含む候補のみを表示する」のか「全ての関連する候補も表示する」のかを選ぶことができます。よって、新しいキーワードを探す目的であれば、この「フレーズ、ウェブサイト、カテゴリを使用して新しいキーワードを検索」を利用することをおすすめします。
フレーズ、ウェブサイト、カテゴリを使用して新しいキーワードを検索
- 「宣伝する商品やサービス」だけは必ず入力する必要があります。複合キーワードにすればするほど、候補となるキーワードが減っていきます。特に明確なイメージが描けていない時は、まずは1語だけ入力してみます。
- 「ランディング ページ」には自社WEBサイトやWEBサービスのURLを入力して下さい。
- 「商品カテゴリ」は選択式になっているので、上記と同様に該当するカテゴリを選んで下さい。
- 「ターゲット設定」は日本と日本語になっていることを確認したら、特に設定を変更する必要はありません。
- 「期間」も同様です。季節変動などの特殊な目的で検索ボリュームを調べたいわけでなければ、特に変更する必要はありません。
- 「検索のカスタマイズ」で重要なのは、「入力した語句を含む候補のみを表示する」のか「全ての関連する候補も表示する」のかです。より関連性を高めたければ、前者を選んで下さい。
検索結果画面の見方
入力した「有機野菜」というキーワードが1年で見た場合に、どの月で最も検索されているかが一目で分かります。この図からですと、6月であることが分かります。グラフにカーソルを合わせると、具体的な検索ボリュームも分かります。
関連性の高いキーワードが上記図のように表示されています。関連性の高さは重要ですが、この時着目してほしい数字は「検索ボリューム」です。検索ボリュームを言い換えると、検索ユーザーのニーズの高さです。検索ボリュームが高いキーワードでコンテンツを作り、上位表示に成功すればそれだけ多くの流入を見込むことができます。一方で、ニーズが高いということは、それだけ多くの競合も参入したいと考えるということです。これは上記図の「競合性」という列で「高」「中」「低」の3段階で表示されます。
おわりに
キーワードプランナーを使うことで、関連するキーワードを効率的に探していくことができます。ただし、「キーワード候補を見つける」ということと、「検索意図に沿ってコンテンツを戦略的に構築していく」という間には、もう少し作業が必要です。スムーズに行うにはコツと経験が必要ですが、「失敗しないコンテンツプランニング方法を徹底解説」の中で、そのTIPSを公開しています。是非こちらの記事も併せて読むことで、検索意図から考えるSEO対策に即したコンテンツの作り方を学んでいただければと思います。