オウンドメディアとブログ、決定的な3つの違い

オウンドメディアとブログ、決定的な3つの決定的な違い

「オウンドメディアとブログは一体何が違うのか?」「何となく違うのは分かるけど、どういう目的でどう運用していったらよいか分からない」という質問をされている方をよく見かけます。どちらもユーザーに対して情報を発信していくという意味では同じですが、それぞれが明確に異なる特徴を持っています。

詳細は本文で語っていきますが、その特徴を大まかに伝えるなら、オウンドメディアは明確な目的と戦略を持って、企画なりライティングなりを行っていくメディアです。それに対してブログは運用側の都合で一方的に情報を発信しているメディアです。よって、オウンドメディアを運用していくには手間もコストもかかりますが、ブログであればライティングの人件費+α程度しかコストがかかりません。

オウンドメディアとブログの定義

オウンドメディアとブログの定義

オウンドメディアとは

WEBマーケティングの業務に関わり日々知識をインプットしていれば、オウンドメディアという言葉を聞かないことはないと思います。オウンドメディアのイメージも、WordPressなどのCMSでサイトを作り、日々特定のテーマでのライティングを行うといったイメージはあるかと思います。

上記の通り、オウンドメディアという言葉自体は2014年頃から注目されていることがわかります。ただし、「オウンド(Owned)」というキーワードの意味からも想像がつく通り、従来のコーポレートサイトやブログも厳密にはオウンドメディアの中に含まれます。「オウンドメディア」というキーワードが近年注目されるようになっただけで、それ自体の考え方は古くからあるものです。

ブログとは

ご存知の方も多いかと思いますが、ブログ(blog)とはウェブ・ログ(web log)の略で、Web上で情報を記録するサイトです。その歴史は古くからありますが、日本においてこのブログが一般的になったのは、2003年頃ではないでしょうか。はてなダイアリーが2003年1月、ライブドアブログが2003年11月、アメーバブログが2004年9月、FC2ブログが2004年10月にサービスを開始しており、この頃を境に個人ユーザーがブログを使って自分の日記や意見を公開するようになりました。FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア全盛の時代ですが、ブログで自らの意見を発信している個人や企業はまだまだ数多くいるので、オウンドメディアと同様にイメージは持ちやすいと思います。

オウンドメディアの目的や役割

オウンドメディアの目的や役割

オウンドメディアの目的や役割について、主に「ブログとの違い」に焦点をあてて説明をしていきます。よって、例えばですが「オウンドメディアには高いブランディング効果をもたらす役割がある」あるいは「オウンドメディアと一口に言っても、ペイドメディアやアーンドメディアは?」といった議論もありますが、ここではそういった特徴は一旦外に置いて、また違う記事にて説明をさせてもらい、ブログとの違いが分かるように共通テーマを絞りながら話を進めていきます。

自社顧客の知りたい情報/役立つ情報(自社業界関連+a)を伝える

前提としてあるのは、オウンドメディアは読み手であるユーザーを意識して情報を配信することです。よって、ユーザーが知りたい情報や役に立つ情報を念頭に置いてコンテンツを作り込んでいきます。当然ながらユーザーに対しても漠然とイメージをするのではなく、ペルソナといった形で読み手の価値観や行動パターンを言語化してイメージを具体的に描きます。そのペルソナに対して、彼らが気になるであろう情報を、適切なタイミングと内容で配信していくのです。また、ブログと違い、ユーザーが気になる情報についてもテーマを一定に絞り、Googleから高い評価を得られるようSEOについても気を配るのが大きな違いです。

メディア単位でのコミュニケーションを行う

オウンドメディアは特定の記事が独立して並んでいるのではなく、メディアという大きな戦略のもとに企画され、ライティングを行っています。1つ1つのコンテンツに意味があり、それらは戦略的な目的を実現するための手段だと言えます。それはSEOでより高い順位をGoogleから得るためということにつながりますし、ユーザーの興味や関心に合わせて段階的に記事を配信していくということにもつながりますし、ユーザーとの接触ポイントに合わせて内容を変えていくことにもつながります。よって、ソーシャルメディアなどの媒体やモバイルなどのデバイスなど、様々な観点で全体の戦略をコントロールする人材が不可欠です。

自社顧客に何らかのアクションを期待する

オウンドメディアは読み手であるユーザーを意識し、ある統一的な目的のためにコンテンツが作られています。それは、最終的にはユーザーに対して何かしらのアクションを起こしてもらうためです。アクションの中身は様々で、ストレートに購入を促す場合もあれば、何かしらのお問い合わせをもらうこともあれば、ホワイトペーパーなどをダウンロードしてもらうこともあります。あるいは単純に認知度やブランディングのためで、ユーザーに定期的にサイトに訪れてもらうといったこともあるでしょう。いずれにせよ、無目的にオウンドメディアを運用することはありません。

ブログの目的や役割

ブログの目的や役割

自社についての情報/自社の伝えたい情報を伝える

ブログは自社が主人公であり、主人公である自社を知ってもらうためにコンテンツを作り続けます。よって、自社が書きたいと思うことを、自社が書きたいタイミングで、自社の都合に沿って配信をしていきます。当然ながら読み手であるユーザーを意識しながら書く点ではオウンドメディアと同じです。ただし、オウンドメディアがユーザーの問題解決に焦点を当てているのに対して、ブログはユーザーを顧客に見立てて自社商品を買ってもらうことにより焦点を当てています。オウンドメディアも自社商品を買ってもらうことを目的とするケースも多々ありますが、それでもユーザーを育てながら徐々に目的へと近づいていく戦略を通常は取ります。

記事単位でのコミュニケーションを行う

ブログ自体は自社の情報を伝えることが目的なので、記事自体が連携をしている必要はなく、従って、全ては個別に独立しています。何のテーマを書いても自由ですし、Facebookなどのソーシャルメディアとの連携を考える必要もないですし、クロスデバイスも厳密に考える必要もありません。ただし、誤解を招かないようにお伝えしておくと、ブログもオウンドメディアと同様に戦略的に運用をした方が当たり前ながらその効果は高くなります。ただ、あくまで自社の伝えたい情報を好きなタイミングで伝えるというブログの有り様から考えれば、記事を個々の単位で配信しても構わないという話です。

伝えることそれ自体が目的である

一方的に情報をユーザーに届けることが目的である以上、ユーザーに何かのアクションを起こしてもらうということはありません。厳密には、自社の商品やサービスを最終的には買ってもらいたいという、情報の発信側の要望はあります。ただし、そういった目的に対してブログが戦略的に運用されているケースは少なく、やはり情報を発信すること自体が目的となっているケースが大半です。よって、ユーザーがアクションを起こしてくれたらいいな、という願望レベルで止まってしまうのです。

おわりに

ブログはとにもかくにも簡単に始められ、手間もコストもかかりません。よって、企業が始めるにあたりとりあえずやってみようと考えられている方も少なくないでしょう。ただし、長期的な視点で自社にとって有益な顧客を獲得していきたのであれば、やはり本格的にオウンドメディアの運用を検討すべきでしょう。オウンドメディアがこれほど流行っているのには、流行るだけの理由があるからです。